スポーツウエアも「リサイクル」を競う時代に? アシックス、東京2020大会での挑戦とは?
日本中の人々と選手とをウエアでつなぐ
「オリンピック・パラリンピックのオフィシャルウエアを、皆さんのウエアを回収・リサイクルして作る試み自体が初めてのこと。必要な量のウエアが期間内に集まるのか、募集段階からハラハラしながら見守っていましたね」
このプロジェクトを推進したアシックスサステナビリティ統括部の増田堅介氏はこう笑って振り返る。
「日本中の人々と代表選手団とをつなぐ日本を一つにするものづくりを通して、大会の盛り上げに貢献したいという思いからこのプロジェクトを企画しました」(同)
選手団にオフィシャルウエアを手渡した際には、プロジェクトの趣旨を説明したハンドブックを添えた。山本選手のコメントにも表れているように、ウエアを提供した人々の思いは日の丸を背負った選手たちにも届いたことだろう。
加えて、このプロジェクトにはもうひとつのねらいがあった。「スポーツメーカーとして世界共通の課題である気候変動に対応することです」と増田氏は語る。
「循環型のものづくりに転換していくことは、私たちスポーツメーカーにとっても大きなテーマになっています。このプロジェクトを通じて全国の皆さんと一緒に取り組むことで、課題解決に少しでも寄与していきたいと考えました」(同)