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3分動画を約800本作成!マニュアル改善を通じてコープさっぽろで表れた4つの効果とは?

前回は「業務基準書作成の骨格である業務SOAと作業SOAの評価と記述」について解説しました。今回は、大手生協のコープさっぽろ(北海道/大見英明理事長)へのインタビューを基に、「業務基準書作成の事例編」をお伝えしていきます。

インタビュー回答者:コープさっぽろ人財育成部 三浦部長、加藤教育グループ長

コープさっぽろ店舗外観

これまでのマニュアルが定着しなかった理由

 コープさっぽろは、2008年に後方業務と店舗での朝一作業が標準化したことを契機にトップの大見理事長の指示でマニュアルを作成する機会がありましたが、下記の問題点により定着しませんでした。

【問題点】
・ビジュアルがほとんどなく文字量が多かった
・観念的な記述が多く、実現するのが困難な内容が多かった
・完成形として扱われ、情報を更新することがなく2014年まで古い情報が記載されたままだった

 6年後の14年にはマニュアルを改善しましたが、こちらも定着に至りませんでした。

【改善点】
・ビジュアルを増やし、文字量を大幅に減らした
・観念的な記述は避け、手の届く目標設定を定めた
・業務を固定作業と変動作業に分け、固定作業を時間軸で組み立てる内容にした
・標準時間を設定した
・動画を作成して組織内のイントラで公開した

【問題点】
・実際はマニュアルを見なくても仕事を進められるベテラン従業員が多く、機能しなかった

 こうしたなか、16年に「ムジグラム※」を基にした業務仕組み化研究会のノウハウが公開されたことを受け、大見理事長が号令をかけ、売上の9割以上を占める店舗事業部と宅配事業部だけでなく、本部・後方機能も含めたすべての部署の業務基準書作成に取り組みました。大見理事長が元良品計画社長の松井忠三氏と交流があったことも後押しとなったそうです。同年、われわれのセミナーに参加いただき、店舗事業部と宅配事業部の業務基準書を完成させ、翌年には他の部署の業務基準書も完成させました。

※ムジグラム(MUJIGRAM)とは、2000ページに渡って無印良品の店舗に関するあらゆる業務のやり方を詳細に記載したマニュアルのこと。38億円の大赤字からのV字回復に貢献した。詳しくは連載第1回を参照

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