製造小売業へ舵を切る!中国地方のスーパー、フレスタのプロセスセンター戦略の全貌
昨秋、移転した本社と同じ敷地内に新プロセスセンター(PC)を開設したフレスタ(広島県/谷本満社長)。店舗の効率運営に貢献するため稼働率を上げると同時に、力を入れるのは独自商品の開発である。自社店舗へ供給するだけでなく、他企業への外販も計画。PCをフル活用しめざすのは「製造小売業」だ。
移転に伴い、機能を大幅強化
フレスタは昨年5月、発祥の地、広島市西区のJR横川駅前から、同市安佐南区に本部事務所を移転した。さらにグループ会社や分散していた精肉、および総菜のPCを本部と同じ敷地に集約、同年9月から稼働を開始している。旧PCは店舗の生産性向上をねらって順次立ち上げたが、いずれも老朽化が進んでいた。施設刷新に伴って規模拡大のほか、機能も大幅に強化している。
![フレスタの総菜売場](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2021/08/dcs210801_PC_Case10_Fresta_00.jpg)
PC機能を備える建物は3階建てで、1階はフレスタグループのフレッシュセブン(広島県/平岡裕司社長)が運営する総菜部門向けの商品を製造する加工場、2階はその事務所。そして3階に、今回おもに紹介する精肉向けの「フレスタプロセスセンター」(フレスタPC)が入っている。フレスタPCの加工場の面積は約600坪、旧PCと比較し約150坪広くなった。
![フレスタ商品部プロセスセンター担当の明石浩二センター長](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2021/08/dcs210801_PC_Case10_Fresta_01.jpg)
PCを再整備したねらいを、フレスタ商品部プロセスセンター担当の明石浩二センター長は次のように説明する。「旧PCで加工していたのは精肉のパックが中心だった。PCを移転、拡大することで、より加工度が高い付加価値のある商品を製造したいと考えている」。
フレスタPCの概要を見ると、取り扱い畜種は牛肉、豚肉、鶏肉、ラム肉に加え、以前は手掛けていなかった鴨肉も加工している。さらにローストビーフやポークはじめ生食関連も扱う。製造数は1日約3万5000パック、総従業員数は136名、うち社員は14名。
特徴は、1日当たりに製造する品目が約250品目と一般的な食品スーパー(SM)の精肉PCと比べると種類が多い点だ。フレスタの店舗があるのは、本部を置く広島県のほか、岡山県、山口県。各地で食文化が異なるほか、競争環境や商圏特性はさまざま。原則としてPCの商品で各地のニーズに応える方針であるため、幅広い品質、量目を加工するにいたった経緯がある。
現在、フレスタでは64店を展開。そのうち売上高や店の規模が大きい14店については、今もインストア加工を行っており、残る50店はすべてPCで加工した商品だけで品揃えしている。インストア加工の全店ベースの売上高構成比は約3割。残る7割は、PC商品、そして加工肉によるものになっている。
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