ロッテ新社長・玉塚元一氏とはどのような人物なのか ファーストリテイリング、ローソン…名だたる企業のトップを歴任
ローソン入社以降の実績は
そして2010年、ローソンに入社。社長就任までの3年半の主な実績を列挙すると…。
- ゲンコツメンチや黄金チキンなどファストフードの大型ヒット商品を開発
- コンビニコーヒーの火付け役「MACHI café」事業拡大と店舗の接客レベル改善
- 店内調理の厨房事業を軌道に乗せ2000店舗規模に拡大
- 原材料管理、製造ベンダーや物流の可視化を推進、サプライチェーンマネジメント全体の需給バランス適正化の仕組みを構築
- Pontaカード分析機能強化、商品開発や自店Ponta会員レポートに活用
- 多店舗経営者であるMO制度を推進し、約90人の経営者を育成
- エリア会やオーナーズミーティングに積極的に参加し、支店や加盟店の士気を向上
社長就任前の玉塚氏のローソン社内評は、「加盟店とのスキンシップを重んじ、信頼が厚い」「組織や人財を引っ張る新しいリーダー。チームワーク、組織力を重視している」「明るく元気でローソン内に希望を与えられる人」「バイタリティにあふれている。年末年始も店舗巡回の合間に早朝5時から1時間のランニングを毎日していた」「家族を大切にしている」「過去の自慢話は一切しない」と非常に多岐にわたっていた。
社長就任会見では、「私が幸運だと思うのは、柳井正さん、新浪剛史(現サントリーホールディングス社長)さんという日本を代表する経営者に直接、薫陶を受けられたこと。やりたくてもやれない。そのなかでさまざまな経験をさせてもらった。この学びのエキスとエッセンスのすべてを今後のローソンの飛躍にぶつけていきたい」と抱負を語っていた。
しかしながら、2016年にローソン代表取締役会長に就いたものの2017年には退任。玉塚氏の“プロ経営者”としての力量に疑問符をつけてしまった。同じ2017年、IT企業のハーツユナイテッドグループ(現デジタルハーツホールディングス)の社長に就任し、現在に至っている。
玉塚氏の経歴を振り返れば、非常に魅力的な人間であろうことがうかがえる。そして、新天地のロッテホールディングス――。見事、捲土重来を果たすことになるのだろうか?その経営手腕には、経済界からの視線が集まる。
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