「個」の力を結集し感情に訴える商品をつくる ロッテ牛膓栄一社長インタビュー
「任せる」ことで「個」の力を育成する
──社長としてのミッションをどのようにお考えですか。
牛膓 売上面の目標を達成するだけでなく、社会的にも世界で認められる会社になることを目標にしています。そして新しい組織として、社内の体制づくりも進めます。
我々はこれまで、創業者のカリスマ性についていくことによって成長してきました。商品づくりへのこだわりはもちろん、テレビ番組(ロッテ歌のアルバム)や大型懸賞による販売促進、現在も稼働する工場の建設など、創業者の画期的なアイデアや先見性、推進力によって、イノベーションを繰り返してきました。
しかし今後は、新体制として、社員一人ひとりの「個」の力を起点に、チームとして成長することに重点を置きます。
すでに、佃社長(現ロッテホールディングス社長)が組織経営体制の礎を築いており、一例として海外研修制度を導入するなど、組織としての人材育成を進めてきました。私はこれから、次世代を担う幹部には、国内だけでなく海外、営業だけでなく企画・開発といったように幅広い部署を経験し、知見を深めてもらいたいと考えています。もちろん、これまで通りスペシャリストも育成します。
さらに、若い人材が成長するために、仕事を「任せる」ことを意識的にやっていきます。たとえば、先ほどお話しした「シャルロッテ」は、若い世代の女性チームに開発プロジェクトを任せたことによって、成功した事例です。
当然、失敗もあるでしょう。10のうち1つ成功するのも難しい。しかし、私は10のうち10失敗しても、成功の見込みがある素材を1つ発見できればいいと考えています。失敗を会社として吸収するための環境づくりをすることが、我々経営陣の仕事です。