アパレル大不振のワールド「裏方」で稼ぐ 年に2度の「構造改革」で復活なるか?

油浅 健一
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ユニクロ一強時代、ワールドの“変身”は間に合うか?

 決算発表で鈴木信輝社長は、「昨年8月に引き続き、2月に発表した構造改革完遂に向けて、いまなお社員に厳しい施策を展開し続けている状況。1年に2度に渡る構造改革を行わなければならなかったことは、ひとえに社長である私の責任であり、 自らが最前線に立って改革を牽引する他ないと覚悟している」と述べ、その上で「これまで重点的に投資してきたデジタル事業の収益化の目途もつき始めており、今後の成長を牽引しうる新たな事業も芽を吹き始めた。 今期(22年3月期)はアパレルブランドの復活が非常に重要。 社員一丸で『実行度』にこだわって、アパレルブランドの復活を成し遂げていきたい」と決意を語っている。

 今期は売上収益で8.9%増の1964億円、営業利益で63億5000万円を計画。売上収益は20年3月期の16.9%減、営業利益は同48.6%減とし、いまだ終息の見通しが立たないコロナの影響を踏まえ、慎重な数字にとどめている。

 圧倒的強者のユニクロを筆頭に、コロナ下で明暗が鮮明になっているアパレル業界。そうしたなかでワールドは、主力アパレル事業の収益性を改善させるとともに、BtoBを主軸とするデジタル事業、プラットフォーム事業を飛躍的に成長させて、ビジネスモデルの大改革を急ぐ。洋服に対する価値観が激変したいま、ワールド変身は間に合うのか? そのゆくえに注目が集まっている。

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