2016年度末までに300店舗・1000億円体制へ=ビッグ・エー三浦 弘社長

聞き手:下田 健司
構成:田中 浩介
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70坪の小型店の出店を加速する

──さて、4月1日から消費税が増税されますが、増税後の経営環境をどのように見ていますか。

三浦 消費税増税は、われわれHDSにとっては追い風になると考えています。1997年に消費税が3%から5%に引き上げられたときは、対前年比で10%ほど売上を伸ばしました。増税後が本当の実力の見せどころだと思っています。

 13年度に取り組んだ価格政策の見直しは、消費税増税の前にお客さまに「低価格で安心して買える店」ということを認知してもらうことも意図してきました。3月からは、家計消費支出の高い41SKUをさらに値下げし、価格訴求を強化しています。

ビッグ・エー

2014年は「第三の創業」の年

──14年度の重点政策は何ですか。

三浦 創業35周年の節目にあたる14年度は、当社にとって大きなターニングポイントになると考えています。

 当社は02年度を「第二の創業」の年としています。02年には24時間営業の店舗を増やすとともに、品揃えを1500SKUから、現在の2500SKUに増強したからです。それで02年度から8期連続の増収増益を達成したのです。

 14年度はこれに続く「第三の創業」のスタートの年と位置づけています。

 当社の13年2月期の売上高は609億円で、今年2月末現在、首都圏の1都4県(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、茨城県)に181店舗を展開しています。これを16年度末までの3年間で、首都圏300店舗体制・年商1000億円をめざします。13年度の新規出店は7店舗でしたが、14年度はその3倍程度の出店を計画しています。15年度以降、さらに出店スピードを加速させていきます。20年度までに出店エリアを全国に広げ、1000店舗体制にしたいと考えています。14年度はその第一歩となる重要な年です。

──これまでの店舗フォーマットで出店するのですか。

三浦 従来とは発想を変えないと300店舗体制は達成できません。このため、小型店の開発に取り組んでいます。当社の標準店の売場面積は100坪で、現在は90坪から150坪の店舗を展開しています。オペレーションを統一してローコスト化を図るためには店舗を新築したほうがやりやすい。実際、全店舗の7割以上は新築です。

 しかし、標準店に固執していては、人口の多い東京23区や南関東に出店する場所を見つけることは難しいのが実情です。これでは出店スピードを速めることはできません。

 そこで、力を入れるのが小型店の出店です。昨年12月に、東京都葛飾区に売場面積70坪の小型店を出店したところです。

 書店やレンタルビデオ店などが撤退した70坪前後の物件が増えています。こうした小型物件に居抜き出店できれば出店コストを引き下げ、早期に多店舗化を推し進めることができます。

 売上については、100坪クラスの店舗では月商3000万円を目安にしています。人口が密集する東京23区や南関東に出店する小型店でも、それに近い数値をめざす考えです。

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