物流センター新設で出店スピード加速!2020年日本国内50店態勢へ=コストコ ケン・テリオ

聞き手:下田 健司
フードマーケットクリエイティブ:太田 美和子
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──日本に進出した海外小売業の中には撤退していった企業も少なくありません。コストコが日本のマーケットに受け入れられた要因は何だと分析していますか。

テリオ ほかの企業についてはわかりません。ただ、当社は、品質、低価格、清潔で安全な環境を追求し続けていれば、世界中どこでも成功すると考えています。高品質とできる限りの低価格を両立させた価値は世界中で理解されるからです。それを常に提供し続ければ、会員からの信頼を得ることができると確信しています。

 小売業は集客のために費やしたコストに満たない売価を打ち出すことがあります。コストコは、仕入れ原価以下で売らねばならないならば、その商品の販売を止めます。コストコは、すべての商品で利益を上げなければならないからです。

 当社の販売管理費は非常に低く、値入れ率をとても低く設定しています。たぶん競合企業は当社のような低価格で毎日販売することはできないはずです。

 どこよりも低い販売管理費を維持することに、今後も努力をしていくつもりです。そのために効率は常にチェックしています。前橋倉庫店(群馬県前橋市)や、来年3月に兵庫県三木市に開設予定の物流センターにソーラーパネルを設置したのはその一環です。

 三木市に建設中の物流センターは、業界最大級といえる巨大物流施設です。千葉県市川市の物流センターだけで約20の倉庫店への配送機能を持っていますが、2カ所目の物流センターが完成すれば合計約60の倉庫店への配送が可能になります。

 西日本に物流センターを持つことは効率向上にも寄与します。たとえば、名古屋以西の倉庫店への配送を三木市の物流センターが担当すれば、移送距離、時間ともに短縮できます。このように改善できる点を見つけて、さらなる効率アップをし続けるつもりです。

食品製造業やレストランチェーンにも商品を供給

──さて、日本の経済や小売市場の状況をどのようにご覧になっていますか。

テリオ 景気自体は好転しているとみています。とくにこの1年~1年半はよくなっていると思います。円安が日本経済全体、とくに製造業に好影響を与え、さらに東京オリンピック開催のニュースもプラス材料でしょう。

 近年、日本の小売市場には多くの変化がありました。たとえば、イオン(千葉県/岡田元也社長)は「ジャスコ」「サティ」などの店舗を「イオン」に変更しました。同社は企業買収に積極的で拡大を続けています。ほかにも、ジョイフル本田(茨城県/矢ケ〓健一郎(やがさき・けんいちろう)社長)、カインズ(埼玉県/土屋裕雅社長)、ベイシア(群馬県/赤石好弘社長)なども企業規模を拡大しています。コンビニエンスストアでは、セブン-イレブン・ジャパン(東京都/井阪〓一(いさか・りゅういち)社長)が2014年度に1600店の店舗を出店するというニュースを目にしました。“パパママショップ”にとっての脅威は、大型店よりもむしろコンビニエンスストアだと思います。

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