絶好調アルペン、水野敦之社長の打ち手が示す、コロナ禍で浮上する企業と転落する企業の境目とは

2021/02/12 05:55
油浅 健一
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スポーツ用品大手のアルペン(愛知県/水野敦之社長)が絶好調だ。2月4日に発表した2021年6月期第2四半期(20年7~12月)連結業績は、純利益、売上高、営業利益、経常利益のいずれもが上場来最高を達成した。コロナ禍にあって、なぜこれだけの躍進ができたのか。数字と打ち手から要因に迫る――。

コロナ禍で需要増えたアウトドア・ゴルフが売上牽引

 売上高1205億3900万円(前年同期比105%)、営業利益110億9200万円(同337.3%)、経常利益120億2400万円(同293.3%)、第2四半期純利益78億2900万円(同329.7%)。同社が2月に発表した2021年6月期の連結決算は、いずれの数字も2006年の上場来最高の数字となった。新型コロナウイルス(コロナ)の感染がまさに拡大していた時期だけに、驚きの数字といえる。

図表 アルペン2021年6月期 上期 セグメント別売上高
図表 アルペン2021年6月期 上期 セグメント別売上高

 売上をけん引したのは、アウトドア関連とゴルフだ。ともに密を避けられるレジャー・スポーツとして、需要が急拡大。加えて、在宅勤務の浸透で、スーツに代わる着衣として、スポーツアパレル領域のニーズも増大。これらを淀みない販売展開で掬い取った。特にゴルフは、注目度の高い新モデルをシューズやアパレルと絡め、戦略的に販売展開し、着実に需要を取り込んだ。

 コロナの発生前から同社はそうしたニーズに対応する地盤を着々と固めていたものの、結果的にコロナが追い風になった格好だ。

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