【後編】JACDS・薬業3団体・JAHI年頭所感 日本薬業研修センター 中込和哉理事長「医薬品登録販売者の資質向上は社会の健康のカギ」

「ダイヤモンド・ドラッグストア」編集部
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日本置き薬協会 代表理事
有馬純雄氏 年頭所感

コロナ禍による配置薬業界の「光と影」

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 配置薬業界の代表として、今回のコロナ禍において、配置薬販売で何が起こっているのかを伝えておきたい。

 業界紙『薬日新聞』11月17日号に全国配置薬協会の「配置販売新戦略会議」分科会からの声が掲載された。その記事によれば、国内で新型コロナウイルス感染拡大が始まった当初は「影響は軽微」「むしろ配置販売の強みが再確認できた」とする見解が多かったが、第2波、第3波の襲来や、コロナ禍による経済活動の停止や停滞の長期化により、配置得意先の家庭の生計や企業の経営状態が厳しくなると、「売上ダウンなど配置販売業へのダメージ深刻化を心配する」配置販売経営者が増えているという。また「光」の部分としては、「得意先との絆が深まった」「各家庭を訪問して商品を届ける大切さを社員間で再確認でき、売上も20%程度上がっている」「よく使ってもらえる得意先ほど歓迎され、歴史の強みを再確認できた」といった声がある。

 一方で、「影」として「都市部より田舎のほうが見る目が厳しい」「点検後に配置箱の引き揚げを求められる」「得意先訪問へのプレッシャーがあって営業社員がダメージを感じている」などが挙がっている。今回のコロナ禍における配置薬業界への影響は、皆既日食の光環である「コロナ」の光と影に通じるものがあるように思う。

 皆既日食は、晴天からにわかに曇天に変わり、2分程度で、もとの青空に戻る。コロナ禍はその発症から1年強経過した。いずれ明るい世界に戻るのだろうが、以前と同じ青い空に戻るのかはわからない。不安はつきないが、世界が快晴の晴天に早く戻ってもらいたいというのが、今年の所感である。

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