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青果に「凍眠市場」コーナー導入… オーケー最新店、「所沢店」に見るMDの進化

 オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)は12月1日、埼玉県所沢市に「オーケー所沢店」(以下、所沢店)を開店した。「高品質・Everyday Low Price(エブリデー・ロープライス:以下、EDLP)」を掲げ支持を拡大している同社の最新の商品政策(MD)をレポートする。※商品の表示価格はオープン時・特別価格の場合があります

12月1日にオープンした「オーケー所沢店」

イオン跡地に開業した
商業施設に大型店を開店

 所沢店がオープンしたのは西武新宿線「所沢」駅から北西約450m。2019年9月に閉店した「イオン所沢店」跡地にオープンした大型商業施設「トコトコスクエア」の地下1階に入る。売場面積は約1940㎡でオーケーのなかでは比較的大型の店舗となる。

 オーケーの店舗は、基本的にワンウェイの売場レイアウトで標準化されている。所沢店も同様だが、そうしたなかでさまざまな最新のMDが導入されているのが特徴だ。

 順に紹介していくと、まず近年オーケーが積極的に商品開発を進めているのが冷凍食品だ。

 所沢店では、同社で初めて青果売場に「凍眠市場」コーナーを導入した。液体急速凍結方式を採用した最新の凍結機を使い、青果を現地で凍結することで、獲れたての鮮度を維持した状態で消費者に届ける。

青果売場に新たに導入した「凍眠市場」コーナー
開店日は専用の什器で、「栃木県産いちご(とちおとめ)」(100g・298円:税抜・会員現金払い価格、以下同)や「茨城県産むき生栗」(100g・698円)など計6SKUを販売していた


 同コーナーについてオーケー取締役の佐藤幹司氏は「獲れたての青果を冷凍しておけば、旬の時期を過ぎてもその青果をおいしい状態でお客さまに届けられる。今後、連携する農家の輪を広げて品揃えを拡充していく方針」と話す。

刺身に焼き魚も!
鮮魚の冷凍商品を拡充

鮮魚売場では冷凍商品の簡便商品を大きくコーナー化している

 鮮魚売場では、19年から冷凍の簡便商品を広げている。

 所沢店では、魚を使ったメニューをレンジアップするだけで食べられる「レンジde調理!」シリーズや味付き魚、刺身などを揃えて大きくコーナー化していた。ほかの食品スーパーではあまり見られない冷凍刺身については「発売初期はほとんど売れなかったが、最近ではしっかり支持される商品に育ってきている」(佐藤氏)という。

他の食品スーパーではあまり見られない冷凍刺身。最近はしっかり支持される商品になってきた

 そして最近の新商品が冷凍の焼き魚「漁港食堂」シリーズだ。家庭のグリルを汚すことなく焼き魚が楽しめる利便性を提供する。所沢店では「さんま塩焼き」「天然ぶり照り焼き」「銀鮭塩麹焼き」などを販売していた。

「漁港食堂」シリーズで販売する「さんま塩焼き」

こだわりの直輸入商品や
オリジナル商品を拡充

 近年オーケーは、直輸入商品やオリジナル商品のラインアップも拡大中だ。

 たとえば最近、新たに投入した直輸入商品がイタリア産のオリーブオイル「ラ・コルテ」だ。地理的環境や風土由来の優れた特質を有する商品に表示される「IGP」認証商品である「トスカーノIGPエクストラバージンオリーブオイル」(456g・792円)と、「エクストラバージンオリーブオイル」(912g・485円)を販売している。

独自で開発する直輸入商品として、新たにイタリア産のオリーブオイル「ラ・コルテ」を投入した

 オーケーは「高品質・EDLP」を掲げる同社は、単に価格を下げるのではなく、価値と価格のバランスによる割安感を追求しているのが特徴だ。

 こうした方針のもと新たに開発したオリジナル商品が、高品質アイスクリーム「プレミアムアイス」(1個184円)だ。シンプルなパッケージが特徴で、デザインコストなどを抑えたぶん、同様のナショナルブランド商品と同等品質でありながら、より低価格を実現した。

「プレミアムアイス」は、ユーロインターナショナル(東京都)がオーケー向けに開発した留め型商品。「バニラ」「ビターチョコ」「抹茶」「ピスタチオ」の4種類を販売する
なかでも「ピスタチオ」は品薄になってしまうことも多い人気商品だ

 このようにオーケーは、利便性や付加価値を提供する新商品の開発を進めてMDを進化させている。

 同社は次の新店として21年3月頃、神奈川県・平塚に売場面積約620坪の店をオープンする予定。その際にはどのような新たな取り組みが見られるのか楽しみだ。

【オーケー所沢店概要】
住所   埼玉県所沢市東町5-22
営業時間 8:30~21:30(当面の間は21:00閉店)
売場面積 1939.4㎡