苦境の百貨店業界でも増収続ける地方百貨店 カギを握る商圏の特性

2020/04/03 05:56
    榎本篤史 株式会社ディー・アイ・コンサルタンツ代表取締役 シニアパートナー
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    高齢者に合わせた雰囲気づくりの伊勢丹浦和店

     高崎高島屋と同じように、地方都市の百貨店で元気なところが伊勢丹浦和店です。実はこの伊勢丹、若い人ではなく高齢の方たちに人気の伊勢丹なのです。実際、平日の昼間に浦和店に行ってみると、お客様の年齢層が高めなことがよくわかります。

     伊勢丹というと新宿本店をイメージする人が多いと思いますが、お店の雰囲気はまったく違います。建物自体は古めですが、明るくてごちゃごちゃしていない空間、そこかしこに配置されたベンチ、店員もベテランの方が多い印象で、どこかのんびりした雰囲気すら感じるのです。

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     浦和エリアは可処分所得が高い人が多いと言われています。そういった人たちが頻繁に伊勢丹に通っていると予想されます。若い人であれば、浦和から新宿に電車で買い物に行くというのは普通でしょう。

     新宿にはもっとたくさんお店がありますから、電車で約 30 分の都心に出て行きたくなるのだと思います。ただ、誰もがそうするわけではありません。

     浦和在住の特に高齢者は、浦和駅前の伊勢丹に買い物へ行くほうが近くて便利だということです。わざわざ都内に出なくてもいいと考える人が多いというわけです。

     それなりに裕福な人が多く、人口量がある程度確保できるエリアにあり、今メインとなっているお客様のニーズに合わせて店舗や接客も変化させていく。それが、地方都市で元気な百貨店の秘密だと思います。

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