オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)は3月18日、東京都武蔵野市に「オーケー吉祥寺店」(以下、吉祥寺店)をオープンした。売場面積はわずか200坪ほどでありながら、高い売上を稼ぐオーケーの最新の小型店の店づくりをレポートする。
小型店出店の指標は
坪当たり年商1000万円
吉祥寺店がオープンしたのは、JR中央線「吉祥寺」駅から東へ約700mの高架下。イオングループの都市型小型ディスカウントストア「アコレ」の退店跡地に出店している。
同店の売場面積は約208坪。オーケーは近年、同約140坪の「湘南台店」(神奈川県藤沢市:2017年2月開店)や同約208坪の「あざみ野店」(神奈川県横浜市:19年2月開店)などを出店し、売場面積150~200坪の小型店の運営ノウハウを蓄積してきた。
同社の二宮涼太郎社長によると「小型店の出店に当たっては坪当たり年商1000万円の売上高を指標としており、これまでの出店店舗では基本的にクリアできている」と話す。つまり今回の吉祥寺店では年商20億円以上の獲得を見込んでいると想定される。
店づくりや商品構成は
標準店と変えない
小型店でありながら大型店並みの売上を稼ぐオーケーの小型店では、どのような店づくりを実践しているのか。最新の吉祥寺店の特徴を写真とともに紹介しよう。
まず、オーケーの小型店は「売場は基本的に標準化しており、小型店であっても、取り扱い品目数を全体的に絞り込むだけで、店づくりや商品構成を大きく変えることはしない」(二宮社長)のが特徴だ。
売場レイアウトも、標準店同様にシンプルなワンウェイの売場づくりを採用。売場面積が限られるため入口から第2コーナーの間に青果、鮮魚、精肉の生鮮3部門をすべて導入している。
独自の簡便商品を
続々と開発!
近年の都市部立地の店舗で販売を強化しているのが簡便・即食商品だ。
青果部門ではカット野菜を大きくコーナー化。19年9月開業の「調布店」(東京都調布市)から導入した「選べるミールキット」コーナーを展開している。
小型店でも総菜は
店内調理で提供
即食商品は、限られた面積ながら多くの商品を店内調理で提供する。とくにオーケーの名物商品の1つになっている焼きたてピザは、インストアベーカリーが入らない小型店であっても導入している。
精肉は100%
自社PCから供給
生鮮のなかでもオーケーが強みの1つとするのが精肉部門だ。主力商品として、A4、A5等級の黒毛和牛を一頭買いにより低価格で訴求。小型店では商品はすべて自社のプロセスセンターから供給する。
小型店でも売上の
約6割がグロサリー
標準店の売場づくりを踏襲するオーケーの小型店では、売上高構成比も標準店とほとんど変わらないという。つまり、オーケーが強みとするグロサリー部門が売上高全体の6割ほどを占めているということだ。エブリデー・ロープライスを追求する同社のグロサリーの競争力の高さが窺える。
オーケーは今後も適した物件があれば小型店も積極的に出店していく方針で、同業他社にとっては大きな脅威となりそうだ。
「オーケー吉祥寺店」概要
所在地 :東京都武蔵野市吉祥寺南町2-37-11
営業時間:8:30~21:30
駐車場 :なし
売場面積:208.67坪(689.85㎡)