「獺祭」がニューヨークで現地生産に挑戦! “手作りの哲学”を貫き世界へ
「大量生産・大量販売」とは真逆の哲学で勝負

同社は、アメリカ市場の難しさも冷静に受け止めている。というのも、実は1980年代から、宝酒造や月桂冠、大関といった大手日本酒メーカーがアメリカで日本酒の現地生産に乗り出している一方で、アメリカの酒市場における日本酒のシェアはわずか0.2%というのが現状だからだ。
「日本酒はアメリカの酒類市場全体ではまだまだ“負け組”。中国市場を見ても日本酒シェアはわずか0.1%程度と厳しい。ただ、その分伸びしろは大きいと考えている」(桜井会長)
だからこそ、安易な価格競争には走らず、日本で培ってきた獺祭のやり方を貫く方針だ。
「アメリカのビジネスは、マネーとマーケティングで考えるのが一般的。製造業はいかにして機械化、省力化してコストを安くするかだが、獺祭がやっているのはそれとはまったく違う。機械化の逆で、人が介在するウェートがものすごく高い。人の手を多くかけて、細部にまでこだわっていることが獺祭の強み」(桜井会長)

実際、日本酒売上量でいうと獺祭は国内第11位に位置しているが、製造スタッフの数は断トツの1位で、現在日本の獺祭には200名の製造スタッフが働いている。これはアメリカの「Dassai Blue Sake Brewery」においても同様で、アメリカの製造量は現状日本の50分の1程度だが、日本人スタッフ3名、現地スタッフ7名を合わせて10名のスタッフが日本と同様、細部にこだわった手作りで酒造りを行っている。
「人が介在することで品質を高め、高価格でも納得される付加価値を提供する。それが獺祭のやり方」(桜井会長)






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