4月度SM3団体統計発表レポート 24年度実績は全店、既存店ともにプラス成長

阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

青森・八戸のローカルスーパー「やまはる」がめざす”やまはるモデル”とは

 今回の発表では、青森県八戸市内でローカル食品スーパー3店舗を展開する、やまはるの中野正信社長がゲストスピーカーとして登壇した。

やまはるのInstagramアカウント

 同社は、地域に根差した経営スタイルと独自性あふれる商品で注目を集めている。小売事業のほかに、卸事業を営み、市内のホテルや保育園、老人ホームなどへの食材供給も担っており、地域の食インフラの一翼を担う存在だ。

 近年、話題を呼んでいるのが、旬の果物をふんだんに使った「フルーツサンド」である。見た目の華やかさが支持され、自社のInstagramをはじめとするSNSの発信が反響を呼び、メディアにも取り上げられるなど、いまや同店を代表する人気商品となっている。 

 やまはるの売場づくりでは“映える”視覚的な魅力にも配慮している。また、従業員と顧客との距離の近さを強みに、フレンドリーな店舗づくりを大切にしている。

 その一方で、来店客との積極的なコミュニケーションを取るといったかつてのやり方が現代の顧客ニーズにそぐわない場面もあり、「お待たせしない」「私語を慎む」といった接客の見直しにも着手。変化する時代に合わせて適宜、改善に取り組んでいる。

やまはるの中野正信社長

 中野社長は、「これからの時代を生き抜くには、“やまはるの可能性”と“地域の可能性”を掛け合わせて商売をしていくことが大切。意図と意識を持った経営を進め、唯一無二の“やまはるモデル”を確立していきたい」と発表を締めくくった。

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記事執筆者

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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