5月度スーパー3団体統計発表レポート 節約志向強まる中、好調を維持できた理由
日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、全国スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体は6月20日、5月度販売統計調査に関する記者発表会を開催した。発表の内容をレポートする。

売上高は27カ月連続で増加
スーパーマーケット販売統計調査報告(2025年5月)の内容によると、総売上高は全店ベースで対前年同月比4.7%増、既存店ベースでは同3.6%増となり、好調を維持している。米価の高騰を背景とした、関連商品や代替商品を含めた売上の伸長が主な要因とみられる。23年3月度以降、27カ月連続で前年同月を上回った。
部門別では、青果が全店ベースで同1.1%増と伸びた。サラダ関連商品は気温の低さの影響で動きが鈍く、苦戦を強いられた。一方で、じゃがいもや玉ねぎなどの土物類や根菜類、きのこ類は供給と価格が安定し、全体の伸長に寄与した。
鮮魚は同1.4%増。生魚の入荷が不安定だったことが影響したものの、大型連休を中心に刺身類は好調だった。畜産は同4.4%増と大きく伸長。相場高が続く中、鶏肉はブラジルでの鳥インフルエンザの影響を受け、高騰傾向が継続している。
JSAの江口法生専務理事は「米価高騰が続く中、消費者の節約志向が依然として高まっている。代替食への切り替えも進んでおり、とくに麺類の売れ行きが好調だ」と話した。
主要地域生協の5月度供給高 宅配・店舗ともに好調を維持
一方、主要地域生協の5月度供給高速報によると、総供給高は同3.1%増の2364億円となった。内訳は、店舗供給高が同2.7%増の774億円、宅配供給高が同3.2%増の1545億円で、いずれも堅調に推移した。
店舗供給高では、客数・客単価ともに前年同月を上回った。部門別では、価格上昇の影響で大幅に伸びた米をはじめ、青果、畜産、総菜、加工食品、菓子、飲料が好調だった。
宅配事業では、大型連休の曜日回りの影響で稼働日数が増え、利用者数も前年を上回ったことが、供給高の増加に寄与した。