「小売業は広告で収入を得るメディア企業になる!」=ダンハンビー社長インタビュー

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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小売業の広告ビジネスが急拡大!

――次に、顧客データ分析の成功事例について教えてください。

バクーヴィエ 例えばマクドナルド(McDonald’s)では、CRM(顧客関係管理)を行い、顧客ロイヤルティを高めることに成功しています。具体的には、アプリや先端技術を活用し、顧客が誰で、なぜ来店するのか、どうすれば再来店するのかを理解する取り組みをしています。これは、スーパーマーケット業界でも活用できる取り組みです。

 グローバルでは、データを小売業、メーカー、サプライヤーで共有し、コラボレーションを行う事例が非常に増えています。われわれはこれを日本で促進させていきたいと考えています。文化的にも習慣的にも、日本では情報のシェアが敬遠されてきましたが、今後カテゴリーマネジメントや販促など双方にとってメリットのある取り組みを通して、(製配販の協業を)広げていける余地は大きいと思っています。

 また、小売業において、広告ビジネスの拡大が顕著になっていますね。デジタルシェルフをはじめとする店内媒体やECサイトなどが、メーカー向けの宣伝メディアとして機能しています。小売業は広告で収入を得るメディア企業の顔を持つようになるのです。

 

――顧客との関係性構築ができている企業とその理由は?

バクーヴィエ EC企業は、そもそもの成り立ちからしてアドバンテージがありますね。一方、リアル店舗小売業では、テスコ(Tesco)やクローガー(Kroger)、セブンイレブン(Seven Eleven inc)などでしょうか。ロイヤルティプログラムが構築され、顧客データの収集、分析、利用を通じた顧客理解が進んでいるからです。

 

――「小売業が広告企業になる」という点で、進んでいる企業はどこでしょうか?

バクーヴィエ これも、広告プラットフォームを持っているため、EC企業が進んでいます。アマゾン(Amazon.com)やアリババ(Alibaba)などがその代表例ですね。小売業ではテスコ、ウォルマート(Walmart)などのメディアビジネスは大きく、今後さらに大きくしていこうとしています。もちろん、日本市場でも大きな可能性があるでしょうね。

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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