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アート強化に外車、高級マンションも好調!大丸松坂屋外商の新戦略

野澤正毅
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2030年までに外商部門の売上構成比を30%に

大丸松坂屋営業本部長
取締役兼常務執行役員営業本部長の加藤俊樹氏

 同社が外商部門を事業拡大の「テコにする」という意味は、商品やサービスの拡販だけではない。同社が長年培ってきた「富裕層における人脈・信用」を資産として、新たな事業でも活用しようという目論見なのだ。

 その一環として、高級外車ディーラーや高級マンションのデベロッパーといった外部の事業者と提携、同社の外商顧客を紹介する見返りとして、成約した場合、一定のフィーを得るというビジネスモデルを検討中だ。百貨店は、かつてグループ会社で自動車や不動産の販売に進出したケースもあったが、現在では「ソフトアライアンス」のほうがお互いにメリットを得やすいだろう。

「ウィン・ウィンでビジネスが広がるなら、ライバル企業とも、積極的に手を組むべきだと考えている。例えば、当社は、自社カード以外のクレジット会社とも、販促企画などで提携している。ほかのクレジット会社にとって利用拡大できるのはもちろん、他社カードをよくお使いになるお客さまにとっても便利だし、当社の売上も増えるので、“三方よし”になる」(加藤氏)

 そのほか、同社の百貨店内に出店しているラグジュアリーブランドのショップで、外商顧客のお目当ての商品がなくても、店外のブランド直営店を紹介するといった取り組みも実施している。もし直営店で外商顧客が商品を購入した場合、同社も一定の報酬を得られる仕組みだ。「提携先での売上も、当社の外商担当者の成績に加算する」(同)

 大丸松坂屋百貨店の売上高(GINZA SIX除く)のうち、外商部門の占有率は現在、約27%だが、「2030年までに、30%まで引き上げるのが目標」と、加藤氏は意気軒高だ。

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