アート強化に外車、高級マンションも好調!大丸松坂屋外商の新戦略
富裕層向けのディナーショーや海外旅行を独自企画

大丸松坂屋百貨店がもう一つ、強化しているのが、ほかでは手に入らないコラボ型の商品やサービス。「富裕層のお客さまは、特別な商品、特別な体験をお求めになる傾向が、極めて強い。当社としても、差別化の武器になると考えている」(加藤氏)
海外ラグジュアリーブランドと提携した「エクスクルーシブ商品」などを投入しているのはもちろんだが、とりわけ、「日本ならでは」のコラボ商品を展開しているのが特筆される。例えば、2024年10月には、京藍染師である松﨑陸氏と、イタリアのラグジュアリーレザーブランド「ヴァレクストラ」が共同開発したバッグを大丸京都店の周辺店舗などで販売し、好評だった。清水焼の若手陶芸家が「ポケモンキャラクター」とのコラボで制作した独自商品なども、人気を博したそうだ。
「モノ」だけでなく、「コト」でも、富裕層向けにオリジナルのラインアップに力を入れる。店外のホテルでの外商顧客限定のおもてなし企画や、社内の旅行事業部門と提携した特別感のあるオリジナル旅行も企画している。
百貨店の外商部門では、上得意客向けのサービスとして「特別割引」が主流だったが、加藤氏は、「富裕層のお客さまであれば、今はお値段を安くするよりも、プレミアムなノベルティをおつけするなど、付加価値で還元したほうが喜ばれると思う」と言い切る。