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節分、バレンタインの劇的進化が止まらない!拡大する「2月催事」のいま

2025/01/30 05:57
宮川 耕平(日本食糧新聞社)
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2月の催事といえば、何十年にもわたって節分とバレンタインですが、歳々年々、催事は同じからずです。20世紀のそれらと今を比べたら、中身はずいぶん変わりました。現在完了的に変わっただけではありません。これらの催事は、今年も現在進行形的に変化を続けています。

恵方巻
豆まきから寿司パーティの日へと進化した節分(写真はイオンリテール)

豆まきから太巻、寿司のパーティー機会に

 かつて豆まきの日だった節分は、海苔巻きの日に変わりました。90年代の後半から恵方巻の全国展開が進み、今や1年で最も寿司を売る日になっています。

 かねて不思議だったのは、恵方を向いて太巻きを黙食するというスタイルが、家庭でどのように実践されているのかということです。同じ方角を向くわけですから、家族は食卓を囲むでもなく、会話を交わすこともなく、かなりのボリュームの太巻きを捧げ持ち、食べ続ける姿は、神事というほかありません。

 それで楽しい食卓になるのかと思っていましたが、実際には海苔巻きを囲むパーティとして発展を続けていたようです。さまざまな海苔巻きをシェアして楽しむことで消費量は拡大しており、イオンリテールの場合、24年の販売実績は19年比で1.5倍になったといいます。

 パーティー化を一段と推し進めることが、イオンリテールの節分戦略です。より多くのバリエーションを楽しんでもらうために、太巻きのサイズは1本からハーフサイズへ、さらには3分の1サイズを充実させる方向です。

 太巻にもこだわらず、中巻88貫を詰め合わせた「巻き寿司三段重(宴)」(本体価格7000円)を商品化しました。一方、全長18cmの太巻のうち、9cmはマグロが飛び出している「溢れすぎた鉄火の太巻」(同1800円)など、見応えを意識した商品づくりによって寿司パーティーを盛り上げようとしています。

 また、イオンリテールでは海苔巻きに合わせるサイドメニューも、かつてのように和風総菜に限定せず、唐揚げやフライドポテトなどを強化しているそうです。全世代に対応したパーティー機会とすることで、総菜全体を活性化するねらいです。

 コンビニを含む他チェーンでも、以前から太巻との見た目つながりでロールケーキのようなデザート展開が見られます。節分は、日本独自の「パーティ機会」として発展を続けています。

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