うな丼1杯590円!好調「名代 宇奈とと」、驚異の激安3つの理由
ウナギをファストフード化した仕組み
同社の最たる強みは高級食材であるウナギをファストフード化した点にある。「宇奈とと」の看板メニューである「うな丼」の価格は税込590円(ダブルは同1100円)と、競合チェーンの追随を許さない圧倒的な安さだ。円安の影響で原価が上昇し、同業他社が値上げに踏み切る昨今の環境下においても、同社は2年以上ベースの価格を上げていない。低価格でウナギを提供できる理由は「大きく調達、オペレーション、教育にある」と田口次長は説明する。
調達については、商社が持つ工場で生産したウナギを「買い時」を定めて大量一括購入し、在庫を確保しておきながら、都度出荷してもらう方法にある。
オペレーションについては、自社で特許を持っている調理設備を使い、工場で加工済みのウナギを店舗において規定の条件でカットし、仕上げ焼きをして盛り付けている。メニューも絞り込まれており、少人数、かつ熟練していないスタッフでも短時間で調理できる仕組みとなっている。オープン前1週間、オープン後1週間の2週間、G-FACTORYの指導員が経営指導を行うなどFCサポートも手厚い。
「アルコール需要」の取り込みへ
今後の出店について田口次長は「基本的にFC方式で毎年数店舗ずつ確実に出店しているので今よりも店舗数は増えるだろうが、出店が急激に増えると既存店の売上に影響を与えるなど非効率な部分もあるため、一店ずつ増やしていくかたちになるだろう」と話す。
同社の中心ターゲットは40代~60代の日本人男性だが、立地によってはインバウンド向け、若者向けと柔軟なフォーマットやメニューパターンを展開している。
開店前から行列が絶えない繁盛店においては開店時間を繰り上げたり、アルコールの需要が高い店舗においては最初の一杯を低価格で提供する「ハッピーアワー」を設定したり、通常の酒類提供開始時間である14時~15時ではなく、昼からの販売に切り替えるなどといった仕掛けも行っている。特に現在はアルコール需要に手応えを感じており、今後さらに伸ばしていきたいと考えているという。