うな丼1杯590円!好調「名代 宇奈とと」、驚異の激安3つの理由

2024/09/09 05:59
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「夢をカタチに!和食を世界に!」をスローガンに、経営サポート事業と飲食事業を展開するG-FACTORY(東京都/片平雅之社長)は炭火焼きのウナギの専門店チェーン「名代 宇奈とと」を国内外に展開している。同社のストアマネジメント事業部の田口建介次長にビジネス展開手法や今後の展開について聞いた。

ダブルネーム店舗はコロナ禍でも成長

 「名代 宇奈とと」はこれまで高級食材、ハレの食材というイメージのあった炭火焼きのウナギを日常的に、安価に楽しめるファストフードのように低価格で展開する専門店だ。

 20248月末現在、国内外で合計95店を展開。そのうち直営店が18店、海外ではシンガポール2店、ベトナム5店の計7店となっている。

 同社の出店地域は東京と大阪が中心だ。立地としては直営店では9割が駅前に店舗を構えているが、その他にも「イオン」の商業施設内にあるフードコートへの出店など、多角的な出店を行っている。

 これらの店舗のほか、商品供給店舗は現在約200店に及ぶ。その多くがヴィア・ホールディングス(東京都/楠元健一郎社長)の焼き鳥専門店「やきとりの扇屋」とのダブルネーム店舗である「オオギヤと宇奈とと」だ。コロナ禍のさなかだった20219月から両社がタッグを組んで展開を始めた。

 「時短営業や酒類の提供制限があったコロナ禍において、炭火を使った商品提供という点で共通点のある扇屋さんと協業し、弁当などのテイクアウトやデリバリー、店内での商品提供をして、ダブルネーム店舗による店舗数がどんどん増えた」と田口次長は話す。コロナ禍という特殊な環境下における店舗戦略が、両社にシナジー(相乗効果)をもたらしたと言える。

海外客と飲み客が回復、期間限定メニューも奏功

 「海外渡航が解禁になり、インバウンド(訪日外国人客)需要が加速度的に増える中、『上野店』(東京都)などの観光地にある店舗の売上高は前年比5060%増に伸長している。既存店も全体に好調だ」と田口次長が述べたように、同社は前期(2312月期)に続き、2413月期も過去最高の売上高を更新している。「名代 宇奈とと」の前期の国内売上高は129600万円となり、前期から26.2%も増えている。

同社で人気のうな丼

 海外からのお客に向けて、英語表記のメニューの提示や外国人スタッフの採用も積極的に実施している。このようなインバウンド需要の増加に加え、「飲み客」が戻ってきていることも、酒類を販売する同社にとっては売上増の要因となっている。

 売上増のもう1つの要因としては、通常の「うなめし」にプラスアルファの組み合わせをしたペアメニューの投入、「うなめし」の約4倍のウナギが乗った「うなめしギガ増し+」などの期間限定販売イベントの実施が挙げられる。酒類やおつまみメニュー、期間限定のお得なメニューなどを定期的に更新することによって、常連客の飽きをなくし、新規顧客も獲得している。

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