高額なコンサル料は実は適正?値切ると品質下がる簡単なカラクリ
実はこういう状態のクライアントがコンサルを使っても成果は出にくい。むしろ、自分達がグイグイ引っ張り成果を出す気概をもった本部チームが、サポート役としてコンサルを入れるのがもっともバランスが良い。
主従が逆になって、コンサルがプロジェクトを引っ張り、クライアントが「どこかおかしいな」と思いながらも、「先生の言うことだからとりあえず聞いておこう」となるとプロジェクトは破綻する可能性が高くなる。
よくいわれる「分厚い報告書が倉庫からでてきた。ゴミ箱からコンサルのつくったレポートがでてきた」などといわれるのがこのパターンだ。
逆に、コンサルの言うことを一から百まで全部否定し「俺の方が現場がわかっているし、頭がよいのだ」と言わんばかりのクライアントも中にはいて、こうした場合は、一切プロジェクトが前に進まなくなる。
まちがってはいけないのは、コンサルは決してクライアントより頭が良いわけではないということだ。
では、コンサルの価値はどこにあるのか?それは、数多くのクライアントとプロジェクトをした経験から得られる失敗や成功のパターン・データベースが豊富なことだ。その道のプロフェッショナルがファームにいて、必要に応じてヘルプしてくれることなどである。もちろん、一定量の地頭の良さは求められる業界ではあるが、私達とて同じ人間だ。あくまでもチームプレイで勝負をすることになる。だからこそ、プライスを値切ることがプロジェクトの品質を落とすことになるわけなのである。
さて、今日はコンサルタントの裏事情を赤裸々に語り、決して私達はイカサマをしているわけでもなければ、適当なことをいっているわけでもないことを述べてきた。特に、グローバル・ファームと呼ばれる有名なコンサルティングファームであればなおさらだ。
厳しいプロフェッショナリズムで自らを律し、時間でチャージをするも、メンタル的には成果でチャージをする気概を持ち、どれほど難しい難題であっても諦めず、クライアントを尊重して前に進んでゆく。一寸先が見えない今だからこそ、コンサルタントとともに高い業績をあげていただきたいと心より思う。
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プロフィール
株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。
著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「
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