スイーツも「OMO」の時代!チーズタルトの「BAKE」が編み出した新たな成功法則とは

2024/04/22 05:57
笹間聖子
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設計の段階から、各分野のプロが結集する強さ

BAKE執行役員
執行役員の北村萌氏

 実はこのように、商品、WEB、パッケージ、さらには店舗まで、ジャンルを超えた統一感のあるアートワークがなされているのもBAKEの強みだ。その理由はブランドコンセプト設計の段階から、各分野のプロフェッショナルが参加する社内体制にある。誰か一人がブランドのコアをつくったら、あとはパティシエやデザイナー、広報など、それぞれの視点から知恵を出し合って肉付けしていくのだ。

 コンセプトの起点は『しろいし』のように、「こんなブランドが必要」という「マーケットイン」発想のときもあれば、『BAKE CHEESE TART』のように、圧倒的においしいチーズタルトという「プロダクトアウト」の場合もある。「元々、おいしいプロダクトと圧倒的デザイン、そしてコミュニケーションの力で“どう商品を世の中に広めていくか”を考えるのが得意な会社。その良さを継承しつつ、時代に合わせたものづくりをしている」と北村氏。

 これまでと方向性が全く異なる『しろいし』を立ち上げたきっかけについては、「コロナ禍では利便性を求めるだけでなく、ウィンドウショッピング的にECサイトを見る方が増えた実感があった。そこで買う楽しさ、見る楽しさを第一に、何度も訪れたくなるブランドをつくりたかった」と説明する。

 その反響は上々で、評価の高いレビューやクチコミが数多く集まっている。東京駅のポップアップショップやバレンタインイベント出店では、限定クッキー缶が半日で売り切れる人気ぶり。メディアからの注目度も高いという。「限定缶は、マンションの隣の森が舞台のクッキー。今後も『しろいし』という街をつくっていく構想で、物語の進行や新しい商品を求めてリピーターが訪れる設計を考えている。期待値を高め、街の世界観が好きになって買ってもらいたい」(北村氏)

 現在、『しろいし』を含め、ECの売上は好調。コロナ禍のEC特需に留まらず、アフターコロナも成長を続けている。実店舗の売上もコロナ以前に戻り、対前年比の売上は100%を超えている。

 215日には『ナッツの美味しさが開花する』をコンセプトにしたEC主体の新ブランド『caica』を立ち上げたBAKE。今後について北村氏は、「『1ブランド・1プロダクト』に固執せず、例えばチーズタルト専門店の商品をチーズ、ミルクのお菓子まで拡張するなど、新たな一手を考えている。フロランタンやブラウニーを進化させたブランドの計画もある。年に2つは新しいブランドを開発していきたい」と力強く語った。

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