スイーツも「OMO」の時代!チーズタルトの「BAKE」が編み出した新たな成功法則とは
一転、ブランド横断型のECサイトと実店舗を
そうして右肩上がりで成長・拡大を続けてきたBAKEだが、2020年、コロナ禍で緊急事態宣言が出て状況が一変する。「これまでは通りすがりに、『ここは何屋さんだろう』と興味を持って入店、購買くださるお客さまが多くいたが、人通りが激減した。ECも実店舗も、商品を目指して『目的来店』してもらわなければいけないフェーズになった」と執行役員の北村萌氏は振り返る。
その巻き返しとしてスタートしたのが、「1ブランド・1プロダクト」を脱却するECサイト『BAKE the ONLINE』だ。チーズタルト、アップルパイなど全ブランドの商品をラインアップすることで、毎日のように訪れてもらえる利便性と、「選べる楽しさ」を優先した。いくらこだわった商品でも、毎日同じスイーツは食べてもらえないからだ。
さらに、グループ共通でポイントが貯まる会員制度をつくるなど、オンライン・オフライン、各ブランドを回遊してもらえるOMO(オンラインとオフラインの融合)の仕組みもつくられた。加えて2020年6月には、各ブランドの商品が結集する実店舗『BAKE the SHOP』も開店。現在、国内4店舗を運営している。
これまで運営店舗で社名を出すことがほぼなかったため、当初は「『BAKE』と『RINGO』は同じ会社が経営していたのか」などと驚いた客も多かったそうだ。だが、アップルパイを目指して来店した客がバターサンドを購入するなど、確実に相乗効果が生じているという。