学生と企業のコラボで商品化93案!未来のマーケターを育成する「Sカレ」とは
大学生が商品を企画し、企業と一緒につくり上げていくインターカレッジ「Sカレ(Student Innovation College)」が注目されている。Sカレをきっかけに生まれた商品の中には継続的に販売されているものもあり、学生と企業との取り組みが続いている場合もある。
Sカレを通じて質の高い商品をつくれる理由は、プランだけでなく商品化まで見据えているからだ。発起人の一人である、法政大学経営学部の西川英彦教授に聞いた。
企業と学生が連携して商品をつくり出す
Sカレは「未来のマーケターの育成」を目的に2006年から始まり、今年で18回目を迎える。どのような商品をつくるのかは参加企業ごとに異なる。たとえば、2022年は「デジタル化時代に必要な手帳(伊藤手帳)」「社会課題を解決する印刷製品(明成孝橋美術)」などが挙げられ、そのテーマに沿ってゼミ対抗で商品を企画する。
まずは10月に行われる大会でコンセプトを競い、同年12月に行われる大会で商品化の権利をかけてプランを競い合う。そこで1位を獲得した企画が、企業と一緒に商品化に向けて動き出す。そして翌年10月の大会では、実際の販売実績などを加味して総合優勝を決めるという流れだ。すべての企画が商品化されるわけではないが、これまで93個の企画が商品化に至っている。
2021年にプラン1位に輝いた「かくしてほせるん」は「長期型避難自粛ケア商品」というテーマから企画され、実際に商品化された。その名のとおり、洗濯物を隠して干せることが特徴で、災害によって避難所での生活を余儀なくされた人からの「周りの目が気になって下着を干せない」という声から生まれた。このように、テーマに沿った企画を学生が立案して、企業と一緒に商品化を実現させている。