止まらないスーツ需要減に「3ない」で攻勢!青山商事、本気のビジネス大転換とは
3つの「ない」で実現する、ビジネスアイテムの総合企業へ進化
スーツスクエアはこうしたニーズの変化や多様化にまさに合致する次世代型の店舗ということになる。その特徴やこだわりを示すなら、3つの「ない」で説明できるだろう。
ひとつ目は「こだわらない」だ。スーツカンパニーの屋号を消滅させての屋号集約は、スーツ依存にこだわらない決意表明ともいえる。着々と進めるリブランディングではブランドパーパスを「お客さまのさまざまなライフステージにフィットするかっこいいスタイルを提供することで、人の心を豊かにするファッションブランド」としており、「スーツ」の文字が消滅している。
ふたつ目は「区切らない」。分かりやすいのは一つの店舗に4つのブランドを揃えているように、店舗ごとにブランドを区切らないことだ。多様なニーズに対応できるよう、ラインナップを拡充することで、ターゲットの幅を広げている。
リアル店舗でネット商品の販売をするなど、リアルとネットの区切りもなくしており、消費者の購買行動に合わせた販売力を強化している。
3つ目は「無駄を生まない」だ。人員整理や不採算店の整理はもちろん、店舗集約により、全体の店舗面積も縮小している。一方で、ネットとの連動性を強固にすることで在庫効率を高め、品不足を補完。さらに店内でもデジタルサイネージなどDXを推進するなどで少人数でも接客に影響が少ない体制を整えている。