アリババ現地レポート1 グループCEOが語った「ニューリテール2.0」の世界!
「OMO」を軸に語るのはもう古い!? 「ニューリテール2.0」の世界観
実際、伝統的な小売ビジネスをアップグレードするニューリテール戦略においても、ダニエル・チャン氏が述べた「データ・ドリブン」と「アリババ商業システム」の2つが重要なファクターとなってきている。従来のニュー・リテール戦略はOMO(オンラインとオフラインの融合)を軸に語られることが多かったが、最近はアリババ経済圏のインフラ全体を活用した、前述の「アリババ商業システム」の一環としての事例が増えつつある。つまり、アリババの事業インフラとして活用することで、ニューリテール戦略がさらなる奥行きをもって拡大しており、その減少が中国では「ニューリテール2.0」という新しい言葉で迎えられつつあるのである。
ここまで、雲栖大会の概要と、アリババのニューリテール戦略の最新の動きについて触れた。次回以降はより具体的な事例として、百貨店業界におけるニューリテールの成功事例として知られる「銀泰百貨」の取り組みと、いわゆる「パパママストア」を”ニューリテール化”したことで事業規模を一気に拡大した「零售通(リンショウトン)」のケースなどをご紹介する予定である。
とくに零售通のケースでは、味覚糖(大阪府)などの日本企業も参画しており、中国市場での売上を飛躍的に伸ばすことに成功。ニューリテール戦略は決して”遠い海の向こうの話”ではなく、日本企業にとっても密接に関連するテーマとなりつつあることが明らかになっている。ぜひご一読いただき、自社の成長機会にしていただければ幸いだ。