外国人スタッフの能力向上を促進させるLINE活用術!
デジタル活用し、指示は明確に、直接的に、簡潔に、具体的に
今回の事例は、以前は部下を潰していたが、部下への指示の仕方を変えたことで育成に成功しつつあるケースといえよう。この事例から、私が導いた教訓を述べたい。
ここが良かった!①
まずは相手を褒めて、高く評価する
LINEを使い、外国人に単純明快な指示をしたことがよかったのだろう。中川によると、外国人は自宅でパソコンを持っていない場合があるようだが、全員がスマホは愛用しているのだという。こういうところに目をつけたのも、よかったのかもしれない。その際、効果があったのは日ごろのコミュニケーションだ。この意思疎通で外国人の特性などを把握できたことが大きかった。
創業者で、オーナー経営者の場合、えてして強引に組織を引っ張っていく傾向がある。
現場の情報に疎くなる場合も目立つ。中川はふだんから外国人を称え続けていた。それが、双方の信頼関係をつくるベースになった。大切なのは、コミュニケーションの前に、まずは相手を褒めて、高く評価することだ。いきなり、「コミュニケーションをしよう」と相手に呼びかけるのはむしろ、双方の間に壁をつくることになるかもしれない。
ここがよかった②
デジタル活用し、指示は明確に、直接的に、簡潔に、具体的に
指示を可能な限り、明確に、直接的に、簡潔に、具体的にするのは外国人を相手にする場合だけでない。日本人にも同じようなことがいえないだろうか。その際、スマホなどのデジタル機器を効果的に使いたい。特に単純作業の場合は、できるだけ完結なメッセージに画像を加え、説明していくことを検討してみたらどうだろうか。
デジタル機器を使い、指示をするのは、飲食店に限らず、小売、流通、メーカー、建設、運輸業界でも何らかの形で応用できるのではないか。すでにタブレット端末をケースが増えているが、もっとコストを減らし、手ごろなものを志すならば、スマホを使用することも考えてみたらいかがだろうか。外国人が多い職場などは特にお勧めだ。特にLINEなどは、有効なツールといえるのかもしれない。
神南文弥 (じんなん ぶんや)
1970年、神奈川県川崎市生まれ。都内の信用金庫で20年近く勤務。支店の副支店長や本部の課長などを歴任。会社員としての将来に見切りをつけ、退職後、都内の税理士事務所に職員として勤務。現在、税理士になるべく猛勉強中。信用金庫在籍中に知り得た様々な会社の人事・労務の問題点を整理し、書籍などにすることを希望している。
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