全国に30を超えるアウトレットモールが開発された。日本における黎明期は1990年代後半、そこから20年以上が経ち、その存在は大きく変貌した。流通の進化は当然に顧客ニーズの延長にあり、その形態が正解であり支持される。しかし、今のアウトレットモールの姿は、社会的正義が実現されているのだろうか。今回はアウトレットモールの機能と役割と責任について主張したい。
アウトレットモール、アウトレットストアとは
アウトレットモールとは、アウトレットストアの集積体である。元々、洋服や靴などのサンプル品、過剰在庫、キズ物、B級品など正規品として売れない商品を生産工場の脇で細々と販売していた店舗を集積して造られた商業施設がアウトレットモール(当初はアウトレットセンター)であり、ショッピングセンター(SC)業態の1つである。
そこで販売される商品の価格は当然低価格になるため、正規品を売る店舗の近くにはアウトレットセンターを作ることできず、概ね100km以上離れた場所に開発されていた。
アウトレットセンターに入居するテナントは、ファクトリーアウトレットストア、リテールアウトレットストア、オフプライスストアの3つが中心的存在となる。
ファクトリーアウトレットとは自らで生産を行うメーカーやブランドがサンプル品や過剰生産品などを自らで販売する形態であり、リテールアウトレットストアとは、百貨店のように外部から仕入れ、それを販売する企業が在庫やキャリー品や返品商品などを処分する。オフプライスストアはメーカーの倒産など何らかの事情で安く仕入れた商品を安価で販売する店舗であり、これらのテナントの集積体をアウトレットモールと呼ぶ。
日本のアウトレット販売手法
意外と知られていないがアウトレットモールが市民権を得る以前、日本のメーカーもアウトレットストアを運営していた。当時は路面店にブランドとは異なった店名をかけ、アウトレット品を販売していた。
そこでは正規品との違いを出すためにタグを付け替え別ブランドにしたり、タグにはさみを入れたり、正札に「在庫品、B級品、キズ物、サンプル品、返品商品」となぜ安いのかを明記し顧客もそれを前提に購入していた。この他、日本での在庫処分は、ファミリーセールと銘打った自社の会議室や展示会場や宴会場や野球場を使い期間限定で行う販売会もその一つだった
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