「ホームセンターと新しいリフォーム市場を創造する」内海健一氏(大建工業)

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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HC向けの省施工商材やHCの人材育成支援も強化

──商品開発のポイントはどんなところですか。

内海 今、大工さんが激減し、より簡単に扱え、施工できる商材が求められています。また、運賃もどんどん上がっています。それを考慮すると、現在提供している長尺の商材には使いづらさが伴います。マンションのエレベーターに入るような、もっと短い商材をつくらなければなりません。だれもが扱いやすい省施工商材をつくり、ジャストサイズにプレカットして、最終的にはプラモデルをつくるようなイメージの商品開発も必要でしょう。省施工を追求することは、プロユーザーだけでなくエンドユーザーの満足度向上にもつながるものと考えます。

たとえば、お客さまがHCに家の図面を持ってきたら、HCは現場が図面どおりか確認して、当社がその家に合わせてカットした商品を提供する。そうすれば、やる気があって器用な人なら、自分でリフォームすることも可能になるのではないでしょうか。

──現在のHC向けの重点商品を教えてください。

内海 国内の木質系床材市場において27%というトップシェアを頂いている当社は、多様な顧客が来店するHCに対し、機能、性能、色柄において幅広い商品を提供することができます。省施工商品では、「吸着フローリング」や床暖房向けの上貼りリフォーム用床材「サーモプラス」などがあります。ドア材では、既存のドア枠に付けられる「アウトセット吊戸」と「サイズオーダードア」(下記参照)をラインアップしています。また、ここ数年、提案を強化している壁材では、深掘りでシャープな陰影と素材感のある意匠が魅力の「グラビオエッジ」(写真参照)が一押しです。また、当社は防音建材に定評があり、たとえば吸音性能に優れた、空気層に充填する吸音材「吸音ウール」などもお薦めです。

壁材の「グラビオエッジ」は、リビングルームのイメージチェンジや部分リフォームに最適な省施工商品。照明の照らし方で表情が変わる(左)
彫りが深く陰影が楽しめる、デザイン性が高い不燃壁材「グラビオエッジ」(右)

──今まで、HCはセルフサービスが基本でしたが、これからはコンサルティングも必要で、人づくりがますます重要になります。

内海 当社はHCの店舗担当者向けに商品の研修会を適時開催し、商品知識強化の支援はもとより、効果的な商品訴求方法も提案しています。工務店などのプロでも、何でも知っている人ばかりではありません。たとえば、ペットを飼っている家に最適な床材を教えてくれる人が売場にいれば、お客さまは安心です。HCの人材育成につきましては、当社は引き続き支援させていただきたいと考えております。

8月29日から始まる「JAPAN DIYHOMECENTER SHOW」でHC向け商材を展示

サイズオーダードア
HC向けのオリジナル商品の「サイズオーダードア」。既存のドア枠を利用してドアだけ取り換えられる省施工商品

大建工業は、8月29日~31日まで、幕張メッセ国際展示場(千葉県千葉市)で開催される「第55回 JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2019」に出展する。同展示会では、3コマのブースを使って、意匠性のある壁材の「グラビオエッジ」、既存のドア枠に設置できる「アウトセット吊戸」と、HC向けのオリジナル商品で、1㎜単位でオーダー対応できる「サイズオーダードア」などの室内ドア、防音建材の「吸音ウール」など、HC向け商材を展示する。「サイズオーダードア」の展示では、POPによる特長紹介や一般的なナチュラルカラーとは一線を画する独創的な色柄の見本を付けるなど、実際にHCに提案している売場づくりを再現する。