「ホームセンターと新しいリフォーム市場を創造する」内海健一氏(大建工業)

2019/08/21 04:00
ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局

建材メーカーとして、日本の住宅づくりを支えてきた大建工業(億田正則社長)が、「住宅用建材のメーカー」から「建築資材の総合企業」への成長をめざしている。その一環として、リフォームの強化に取り組む。同社の執行役員 特需営業本部 本部長 内海(うちうみ)健一氏に、新たなリフォーム市場創造のために、ホームセンター(HC)との協業を推進するねらいと戦略を聞いた。

HCはリフォーム強化のための重要チャネル

──2020年の東京オリンピック開催に向けて、建築業界全体が好調な動きを見せていますが、住宅の新築着工件数は確実に減っています。

大建工業編株式会社 執行役員 特需営業本部 本部長   内海 健一
大建工業編株式会社 執行役員 特需営業本部 本部長  内海 健一

内海18年度の新築住宅着工件数は約95万戸ですが、それが25年には70万戸台にまで落ち込むものと想定しています。当社の長期ビジョン「GP(グロウプラン)25」では、それら厳しい環境下においても勝ち残ることをめざし、従来の「住宅用建材のメーカー」から、「建築資材の総合企業」に成長することを25年のありたい姿として描いています。19年度から始まる中期経営計画セカンド・ステージでは、「成長戦略の加速」と「経営基盤の強化」を基本方針として掲げ、「GP25」の実現に向け重点市場を見極めながら事業活動を展開しています。

具体的に挙げると、1つは公共・商業建築分野です。高齢者施設や幼稚園・保育施設、病院、学校などに向けた商品開発・提案を強化していきます。そして、もう1つが住宅リフォーム市場の強化です。従来のリフォームはキッチンやバス、トイレといった設備機器の入れ換えが中心でしたが、当社がターゲットとするのはお客さまの好みや生活スタイルに合せて住空間全体をよりよくして価値を高めるリノベーション需要です。そしてそのニーズを持つお客さまを呼び込むことができるのがHC。今後、HCをリフォーム強化のための重要なチャネルとして位置づけ、HCとの協業を進めていきたいと考えています。

──小誌の6月15日号の特集で主要HCのトップに取材しましたが、各社が厳しい状況下で同質飽和化からの脱出をめざし、旗き幟し鮮せん明めいになったと感じました。その中で、プロ需要をねらうBtoB(対業者)を強化するHCも出ています。

内海 他社との差別化を考えるなかで、リフォーム強化や、建材を本格的に扱ってプロ需要を取り込んでいこうというHCも出てきました。リフォームでは、HCは一般消費者だけでなく、工務店などのプロ顧客も取り込んでいます。BtoBについても、プロにもわかりやすい売場づくりやどうしたら売上を伸ばしていけるのか、HCと一緒にアイデアを出し合いながら取り組むことで、当社もHCとともに進化したいと考えています。

──もちろん、BtoC(対消費者)であるHCのリフォームコーナーへの提案も強化していくのでしょうか。

内海 HCのリフォームコーナーは、ペット用品や園芸用品を買いに来たお客さまが気軽に入ることができます。つまり、リフォームはまだ先のことと考えている消費者が「キッチンを変えたい」などと思わせる、潜在需要を掘り起こす場となり得るということ。ただし、お客さまが望んでいるのは、単にキッチンというモノを取り換えることではなく、キッチン空間を快適に変えることです。ところが、そういう空間づくりの提案ができているHCはそれほど多くはないように思えます。当社は、各HCと取引がある住設メーカーなども含めて、ともにお客さまの求める快適な空間を実現できるリフォーム提案を行いたいと考えています。HCという消費者にとって身近な場所で選択肢を増やすことは、顧客満足度が高いリフォームの実現に直結するはずです。

HCにはそれぞれの個性があります。当社は、各HCの特徴を把握したうえで、HCのオリジナリティを活かせる提案を行う方針です。ご相談があれば、ぜひ当社のリテール営業部にご連絡ください。東京と大阪に営業所を、名古屋・福岡には営業スタッフを配置していますので、必要に応じてHCの担当者さまと密接に情報交換させていただきます。また、収納、子育て、ペットというようなキーワードごとの空間提案や解決策の相談にも対応いたします。

さらに、お客さまのニーズに合ったリフォーム商材を新たに生み出すことも、当社の重要な使命。商品開発にもいっそうの進化が必要だと考えています。

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HC向けの省施工商材やHCの人材育成支援も強化

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