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なぜ、お客さまが欲しいと思っている商品を売っている人は二流なのか?

こんにちは、成田直人です。前回、前々回と、具体的なスタッフトレーニングのやり方について、5つのSTEPを紹介した上で、STEP1担当商品知識向上勉強会、STEP2店内全商品の把握とSTEP3他部門の知識向上について解説しました。今回はSTEP4、「関連商品を結びつける」方法について説明したいと思います。

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欲しいモノを売るだけであれば店舗は必要ない

 皆さんの店舗のスタッフは、前回ご説明した、STEP3店内全商品の把握STEP4他部門の知識向上に関するトレーニングが終了しました。それにより、店内の商品理解が一通り網羅することができた状態にあります。そこで、今回のテーマは「STEP4関連商品を結びつける」です。

 スタッフ一人一人が自らの力でお客さまに付加価値提案できるように教育していきましょう。具体的にどうやって関連商品に結びつけることができるのか。キーワードは「見立てる」です。

 当社クライアントが展開する大型店舗のなかに、家具・雑貨店があります。ここではソファを買いに来たお客さまに、関連商品を提案するようにしています。多くの家具店は、お客さまがソファを買いに来れば「こちらのソファでよろしいでしょうか。納期は・・・1週間後です」とすぐに手続きに入りますよね。

 最近ではipadで最新在庫が把握できるようになりましたので、目の前で納期がわかります。このオペレーションには目を見張るものがありますよね。

 しかし、このようにお客さまが欲しいと思っている商品を売っているうちでは、二流どころか三流と言わざるを得ません。そんなスタッフしかいない店は、いまにネットショッピング(早くて安くて便利)にその座を受け渡すことになり、早晩潰れてしまうことでしょう。

 欲しいモノを売るだけであれば店舗は必要ないのです。インターネットで欲しい商品を見て購入すれば良い時代になります。今はまだファブリックの質感やサイズ感はイメージがつきにくい。だからお客さまは「店頭で買わざるを得ないのではないか」と思っているだけかもしれません。そう思っているのは皆さんだけではありません。かくいう私だって、かつて靴店で働いていた時、「靴はサイズ合わせないといけないからネットでは買えないよ」と店頭に主導権がいつまでもあるモノだと思い込んでいました……。

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リアル店舗なら、欲しいモノだけを売らずに関連商品を販売せよ!

リアル店舗なら、欲しいモノだけを売らずに関連商品を販売せよ!

 しかし、今はどうでしょうか? 古巣のABCマートもネットショッピングの成長に目を見張っているほど、ネットショッピングで靴がどんどん売れているのです。家具のような大型商品だって同じこと。今後ますますネットショッピングのユーザビリティ(利便性)は向上し、今はまだ大丈夫だと思っていることが、すぐに現実の脅威となり、皆さんの前に立ちはだかることになることでしょう。

 そうなってから慌てても仕方(遅い)が無いのです。「店頭でしか、販売員を介在しなければ得られない付加価値」を提供するように仕掛けていきましょう。その手法こそが「欲しいモノだけを売らずに関連商品を販売すること」なのです。

 例えばソファを購入したいと思っているお客さまがいます。

 すぐにお好みの商品を選定して手続きに入るのではなく、「どんなおうちにセッティングする予定ですか?」「新築ですか?それともソファの買い換えですか?」とお客さまの利用シーンを確認しながら、「もしよろしければ、こちらのソファにぴったりな照明(カーペット)(センターテーブル)などがありますよ」と関連商品を勧めることが大切です。もちろん勧める根拠がなければ、いけませんよ。

 例えば「お客さまのご自宅は壁紙がベージュと伺いました。今回のソファはグレーなので、一緒にグリーンの丸形のカーペットはいかがでしょうか。北欧のようなリラックス空間ができあがりますよ」と言ったら、お客さまはどんなことを感じるでしょうか。

 もし、「今自宅で使っているカーペットが新しく購入するソファと合わないな……」と不満を感じていたなら「一緒にカーペット(ラグ)も買い換えようかな?」となる可能性が大きいですよね。

 これは販売員が介在しなければ成し得なかった成果です。まさに「付加価値」ですよね。このようにお客さまが欲しい商品だけを売るのではなく、関連する商品を提案するように心がけていきましょう。「関連商品を勧める」という癖がついたら具体的にどうやったらさらなる売上貢献・顧客感動に繋がるのか、次回紹介しますね。

 

 

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。