上期で過去最高業績を更新したアスクル ロハコの黒字化に向けた戦略は?

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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「ソロエルアリーナ」のオープン化で売上増

 アスクルは255月期を最終年度とする中期経営計画で、売上高5500億円、営業利益率5%という数値目標を掲げている。「BtoB事業」での重点施策としては、取り扱い商品、在庫商品の拡大に注力。取り扱い商品1800万アイテム、在庫商品33万アイテムの達成に向け、235月期通期では、それぞれ1400万アイテム、15万アイテムの達成をめざし、計画を進めている。

 オリジナル商品の拡大も加速させる。中期目標の12000アイテム達成に向け、今期は1万アイテムに拡大する計画だ。アスクルが「2大戦略業種」と位置付ける「医療・介護」「製造業」向けの商品を中心に開発を強化していく。戦略業種向け商品には積極的に広告投資するほか、動画広告を活用するなど認知度向上に向けたウェブ販促にも取り組む。

 「アスクル資源循環プラットフォーム」の取り組みから生まれた新たなプライベートブランド「Matakul」(マタクル)の「クリアホルダーからつくったクリアホルダー」
「アスクル資源循環プラットフォーム」の取り組みから生まれた新たなプライベートブランド「Matakul」(マタクル)の「クリアホルダーからつくったクリアホルダー」

 また、中堅・大企業向けサービス「ソロエルアリーナ」のオープン化により、この上期で外部流入の売上高が27億円となった。注文単価も直接流入の1.2倍となり、「検索から流入しやすくなったことで、お客さまもいろいろな商品をワンストップで購入できるようになった」と吉岡晃社長は手ごたえを得ている。今後はこのオープン化の効果の最大化に取り組みつつ、ASKULサイトの機能改善・強化に前倒しで取り組んでいく考えだ。

 物流面では、「BtoB事業」の成長を支える「東日本最先端フラッグシップセンター」として、221121日に「ASKUL東京DC」の稼働を開始。同一方面に配送する荷物の重さ・大きさ順に連続で出庫できる「シャトルシステム」を活用するなど、生産性を高める最新の設備が導入されている。

 

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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