ウォルマートのビジネスモデルは全世界で通用する=西友兼ウォルマートジャパンCEO
既存店は重要な資産 大型店の改装に注力
──成長戦略の一環として新規出店を加速する中で、12年は7店舗を新規出店しました。そのうち11月にオープンした「西友府中四谷店」(東京都)は新たなモデル店という位置づけですが、手ごたえはありますか。
デイカス 非常に満足しています。週末には予想以上に集客しています。店内にはいくつもの新しい工夫を凝らしており、内装を従来よりも暖かい雰囲気に変えて、什器も刷新したことで、より買物しやすくなりました。さらにLED(発行ダイオード)の電球を使用したり、照明やスポットライトの配置、個数、床の光反射にまで気を配ったりと、省エネにも配慮しています。
西友は、常にお客さまに来ていただけるような店舗づくりをめざしていますが、まだまだ改善の余地はあります。当社は資本の使い方に関して、規律が非常に厳しい会社です。新店を建設するに当たって、よりよい買物経験を提供できる方法と同時に、常にEDLCの観点からいかに投資を減らせるかを考えています。
──最後に今期の出店計画について教えてください。
デイカス 13年の新規出店は新長田店(兵庫県)、江戸川中央店(東京都)と、東京都板橋区内の1店舗を合わせて3店舗。それとリロケーションの(仮称)東久留米店(東京都)、建て替えの台原店(宮城県)の合計5店舗の出店を考えています。ほかにも出店用地を探してはいますが、きちんと収益が上がる物件を吟味しています。
一方、ROI(投資収益率)を考慮のうえ、既存店の改装にも取り組んでいます。今年は40店舗の改装を実施することに決めました。改装を計画している店舗の中には、大型店も多く含まれますが、これらは昨年改装した「リヴィン光が丘店」(東京都)のモデルを踏襲します。最上階にアンカーテナントを入れていて、直営とテナントが分かれているため、お客さまにとってわかりやすいのが特徴です。実際この店は改装後、堅調に売上を伸ばしています。
既存店については今後も改装を続けていく方針で、大型店に関してはまだ改装によって売上を拡大する余地があります。当社では6~7年に1度改装するサイクルになっています。改装のタイミングで、「リヴィン光が丘店」のような、下に強い西友の食品売場、上に強いアンカーテナント、そして間に多様な店舗が入る──といった新しいコンセプトを導入していきます。
既存店は重要な資産ですから、店舗を拡大している間もきちんとメンテナンスが必要です。