再び2012年も節電需要が大きなトレンドに=アイリスオーヤマ 大山 健太郎 社長

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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《スマートライフ》を提唱する

──節電ということでは、《スマートライフ》という考え方を提唱しています。

アイリスオーヤマ代表取締役社長 大山 健太郎

大山 日本の電力は余っています。ただしピーク時に不足していることが問題なのです。ということは、少し柔軟に頭を使えば、原子力発電所を動かさなくとも、太陽光・地熱・風力・水力に頼って新しい投資をしなくても、われわれは今までどおりの生活を送ることができるわけです。

 たとえば、現在、使用電力の3割は照明用に使われていると言われています。これを半分にすることができれば、それだけで全体の15%をカットすることができます。これは従来の照明をLEDに切り替えるだけで達成できる数字なのです。

 また、昨夏の自動車産業のように土・日曜日に製造業の工場を稼働させれば、ピーク時の電力需要を削減することは、そんなに難しいことではありません。役所にしても、交通機関や外食業、小売業と同じサービス業であるのですから、土・日曜日に窓口を開けたりするなどの工夫があれば電力使用の分散化につながるはずです。そんなふうに、ちょっと頭を切り替えて、賢く社会の仕組みを変え、電力需要を分散できる仕組みを社会全体でつくればいいのです。

 これから人口減少がどんどん進んでいく日本にあって、使えないほどの量の電気をつくる必要性はありません。そういう理由から、私は、最近、《スマートライフ》という考えを盛んに提唱しています。「賢い生活の仕組みを考えよう」という意味になります。

 過去の延長の生活スタイルを変えないままに、電力不足にかこつけ、施設増設をするのではなく、現在の電力を無駄にすることなく、賢く使い切れば、ちゃんとした生活は送れると考えます。

さまざまな分野で存在感みせる

──実業に話を戻しますと、11年7月1日にヘルスケア事業部を新設しています。

大山 そうです。H&BC(ヘルス&ビューティケア)、化粧品、サプリメントなどを扱う部門で、ドラッグストアやコンビニエンスストア、食品スーパーなど販売チャネルの拡大を図ることができています。

 今年は商品開発ならびに販売促進をさらに強化していきたいと考えています。「とうもろこしのひげ茶」を中心とする健康飲料群が非常に好調で、モデルの道端アンジェリカさんがTVCMで訴求してくれます。

 従来、当社はプラスチック収納を軸に企業規模を拡大してきました。しかし、過去の商品だけではなく、新しいニーズに合った商品を提供することによってさらなる成長を果たしていきたいと考えています。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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