「食の提案」で難局を乗り切る=ジョイス代表取締役兼社長執行役員 小苅米秀樹

聞き手:千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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 自分たちで考え、成功と失敗を繰り返しながら経験値を積み重ねないとノウハウにはなりませんから、みんなで知恵の汗をかいていきたいと思っています。

 11年2月期上期は苦戦を強いられ下方修正する結果になっていますが、社内には、商環境や競争環境が厳しいことが原因なのではなく自分たちの努力不足が主因である、と話をしています。

出店再開、次年度は3店舗を計画

──次のトップマネジメントの担い手となる店長の教育にも力が入ります。

小苅米 先ほどからお話ししているように、当社は全員参画型経営を標榜していますので、従業員の皆さんが自らのスキルアップを図れる機会を平等に提供していこうとしています。とくにキーになる店長向けは、社長就任当初から力を入れています。

 「食の提案型スーパーマーケット」は、1号店である三関店でうまくいったから次の店舗でもコピーして出店すればうまくいくかといえば、そうとは限りません。商圏や立地やお客さまの年齢構成、あるいは店内風土や店長のキャラクターあるいは従業員の皆さんの能力も店舗ごとに違うからです。

 当社もチェーンストアですから70%くらいの標準化はしなければなりませんが、残りの30%は個店経営するようなかたちをとり、画一化は考えていません。

──これから出店のアクセルを踏んでいくと聞いています。

小苅米 そうですね。12年2月期からは、新規出店を再開することにしました。中期経営計画の最終年度ですが、新規2店舗と建て替え1店舗の計3店舗を予定しています。私を含めた社内にいる人間のレベルが向上しないと業績も上がりませんし、そのための手段も施していますが、やはり出店することによって技術革新も進みますし練度も高まりますので、新規出店を再開することで企業のレベルを上げていきたいと考えています。

 三関店の状況は非常によい感触で、その考えを取り入れて改装した盛岡東安庭店(岩手県盛岡市)も順調に推移していますが、三関店ではサッカー台のスペースや休憩スペースが狭く、バックルームもまだ工夫が必要ですので、次の店舗は多少売場面積を拡大することを検討しているところです。

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聞き手

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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