One to Oneマーケティングを実現する=イオンマーケティング 小賀雅彦 社長
──イオンマーケティングがめざすかたちとして、あえて具体的な企業名を挙げるとするならば、英国テスコのマーケティングを手掛ける、ダンハンビー社のような存在でしょうか?
小賀 まさにそのとおりです。当社はダンハンビー社をベンチマークしており、まずはできるだけそこに近づきたいと考えています。
上位顧客の分析で数々の“気づき”
──次にイオンマーケティングの実際の事業内容をお聞きします。マーケティング事業、モバイル事業、そしてクラブサポート事業の3事業を手掛けますが、各事業では具体的にどのようなことを行うのでしょうか?
小賀 まず、マーケティング事業では、POSデータ分析を通じて、品揃えや売場構築、プライベートブランド(PB)商品開発などの支援を行います。現在はすでにあるイオンカードの購買履歴情報を活用して、上位顧客の分析を行っています。
一方、モバイル事業は、携帯電話を活用した新たな販促媒体の提供と会員ビジネスの構築を行います。具体的には、(1)イオンにまだ来ていただけていないお客さまに来ていただく、(2)イオンのお店には来ているけれどあまりお買い上げいただけていないお客さまに買っていただく、(3)すでに来てくださっているお客さまの来店頻度を上げる、という以上3点において効果を出すのがねらいです。
3番目のクラブサポート事業は、グループ各社が個別に行っているダイレクトメールを発送するなどの業務を当社で一元化して請け負うものです。これにより、グループとしての効率をアップさせるのがねらいです。
──先行するマーケティング事業について、イオンカード会員の顧客分析の進捗状況はいかがですか。
小賀 この1年はお客さまの頻度を高めることを目的に、総合スーパー(GMS)の上位顧客の分析に取り組んできました。データ分析の結果、個々人の思い込みや経験則により、「これが正しい」と決めつけていたことが、事実とは異なるという事例がいくつもわかってきました。すでに、1~2の事例をグループ内で発表しています。
このように販売に役立つ情報提供を、今後できるだけたくさん行うことで、グループ各社の日々の営業活動を支援していきます。なお、最近では上位顧客にとどまらず、中位顧客の分析もスタートしたところです。