SCM確立でローコスト・オペレーションを実現=マックスバリュ西日本 岩本隆雄社長
「強い単品」を積極開発
──さて、社会の老齢化によって、今後は店舗で販売する商品も変わっていくのでしょうか。
岩本 そうですね。移動手段を持っていない老齢者の方々は、店舗にさらなるワンストップショッピング性を求めるようになるかもしれません。その意味で、品揃えは、従来からはずいぶんと変化する可能性はあります。
ドイツのアルディは小型のSMですが、カタログ販売でテレビや冷蔵庫も扱っています。ということは、既成概念にとらわれることなくSMも変わっていくべきでしょう。
──老齢化対策も含めて、競合各社は簡便性の高い総菜や、温めるだけで食することができる「レディ・トゥ・イート」を強化しています。
岩本 「レディ・トゥ・イート」に関しては、当社も積極的に商品を開発しています。社会が老齢化していけば、素材中心の売場だけではニーズに十分応えられません。また、少人数世帯では、素材を買ってもすぐに使い切ることは難しい。その意味では総菜などの簡便商材は重要です。量目についても配慮すべきで、少しの量の商品を、多くの中から選択できる店にしたいと考えています。
もうひとつ。味については、最も大切な問題と認識しています。事業展開しているのは関西、中・四国エリアですが、これまでは本社を置いていた兵庫県を中心に考えていたところがあります。つまり関西の商品を各地に流すという発想です。
今回、本社を移転したことで、それぞれのエリア特有の味を打ち出していく方針です。各地には強いローカルチェーン、地場SMが存在しています。そういった企業と戦っていくには、地場に根ざした味にこだわる必要があります。従来は、その部分が当社の弱点になっていたと分析しています。
──商品的な話題を続けると、マックスバリュ西日本は現在、「強い単品」という商品を増やしていると聞きます。これは具体的には、どういったものですか。
岩本 商品開発や原料調達の段階から製造、物流、販売にいたるまでのすべての工程でコストの見直しを図り、低価格を実現する商品です。
いまのところ100アイテムの「強い単品」をつくることが目標です。なかなかスピードが上がらないのですが、これまでに25ほどの商品ができました。「焼酎」は、そのひとつです。商談で条件を出してもらって安くするというのではなく、あくまで仕組みで価格を打ち出しているのが「強い単品」です。それをコーナーエンドなど目立つ売場で展開していきます。