SCM確立でローコスト・オペレーションを実現=マックスバリュ西日本 岩本隆雄社長
岩本 イオングループでは、マックスバリュを展開するグループとしては最も大きい企業です。上場もしていますし、着実に成長を続けてきました。その意味で仕事や店づくりなどが標準化され、システマチックな会社ではないかと想像していました。
ところが各店を回ると、必ずしもそうではありませんでした。それぞれがそれぞれに仕事をしているところがある、と意外に思いました。チェーンストアですから、いろいろな面で標準化を進めていけば、もっと強い企業になるとのではと考えています。
ムダを省いた筋肉質な会社に
──流通業を取り巻く環境は激変しています。少子高齢化やマーケットの縮小を余儀なくされる中で、何を意識して経営しますか?
岩本 当社のドミナントエリアである関西、中・四国エリアは、一部を除く、ほとんどの地域において人口増加が見込めません。社会の老齢化の進行も大きな問題です。つまり、どの要素をとってもマーケットは縮小傾向にあり、さらに競争も激しくなるのは間違いありません。その中で生き抜くには、「ローコスト運営」や「ローコスト経営」といったキーワードは外せないと考えています。あらゆる面でムダを省き、筋肉質な会社にしていく必要があります。
──具体的にはどんな取り組みに着手していますか?
岩本 着任後は、「隗(かい)より始めよ」で、まず簡単に実行できそうな分野にメスを入れました。たとえば、これまでの売場づくりには、必要以上に人手がかかったり、属人的な能力差によって、ばらつきが散見できました。
これに対し、店舗では誰が作業しても同じようにできるような仕組みをつくりつつあります。コーナーエンドを誰もがうまく、スムーズにつくれるよう、指示書をシンプルにしたり、什器を工夫したりしています。
以前、私は物流畑におり、海外の有力な流通企業の物流を数多く視察する機会に恵まれました。どの企業にも共通するのは、SCM(サプライチェーン・マネジメント)の発想から、ローコスト・オペレーションへアプローチしていたということです。