就任から約1年、良品計画の堂前宣夫社長が示す“本業としてのESG”の道筋
新業態「無印良品500」が好調
23年8月期の連結業績は営業収益5850億円(同17.9%増)、営業利益340億円(同3.7%増)、経常利益326億円(同12.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益213億円(同13.3%減)を見込む。連結での経常利益、当期純利益は減益予想だが、22年8月期で営業赤字の欧米事業を含め、すべてのセグメントで増収・営業増益をめざす計画だ。
期中には、国内で過去最高となる79店舗の新規出店を予定しており、500~600坪クラスを標準とした生活圏への出店を継続する。海外では62店舗の出店を計画しており、中国大陸を中心に店舗網を拡大していくほか、成長が見込める台湾や香港、タイなどにも出店する。
今期の目標を達成するための重点課題として、良品計画は「商品力の強化」「生産の内製化と最小原価の実現」「商品マーケティングの強化」「店舗売上構造の確立」「物流費、システム費の抜本的な効率化」「本業としてのESG推進」の6つを掲げる。
具体的には、22年9月開業の日用品・消耗品に特化した新業態「無印良品500」の既存店へのコーナー化、食品スーパーやコンビニエンスストアなどへの無印良品コーナーの導入、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)による衣服コーディネート提案の強化、衣服単独店やスキンケア・ヘアケア単独店の開発などに取り組む。無印良品500について、堂前社長は「今まで気づいてもらえなかった商品がお客さまに伝わり好調に推移している」と話す。
また、前述の各課題の数値目標として「23年秋冬に売上総利益率49%」「24年8月末までに工場との直接取引比率約80%」「生活雑貨の倉庫在庫3割減」なども掲げる。