前回、ショッピングセンター(SC)に出店テナントにおいて、サービス系テナントが増加していること、その理由について指摘した。サービス系テナントの増加は、SC運営に変化を迫ることになるのだが、それはサービス業の特殊性に起因するサービスマーケティングの存在が大きい。では、このサービス系テナントの増加とサービスマーケティングが今後のSC運営にどのような影響を及ぼしていくのか、解説していきたい。
サービス系テナントがSCに欠かせない理由
SCテナントには、①物販系テナント、②飲食系テナント、③サービス系テナントの3つがあり、そのうち、サービス系テナントは、美容、理容、医療、金融、教育、教室などのサービスを提供し、物販や飲食とはかなり異なった特性を持つ。
サービスは、物販とは大きく異なり、①無形性、②不可分性(生産と消費の同時性)、③非貯蔵性(消滅性)、④品質の非均一性(異質性)、⑤需要の変動性、⑥非可逆性の6つの特徴を持つ(それぞれの特徴は前号を参照)。
これらサービス系テナントは、今後、SCというリアルの場所には絶対的に必要な店舗となる。なぜなら物販であればECに代替され、飲食であればウーバーイーツが運ぶ。要するにSCに来る必要が無くなるのである。
しかし、髪を切る、爪を塗る、病気を治すといった行動は直接出向かなければサービスを受けることは出来ない。ネット上で髪は切れず、爪も塗れない。5Gの時代になれば内科的診察の在宅医療は進むと思うが外科的処置となれば足を運ぶしかない。
したがって、今後、ECの進展や在宅サービスが増加しても依然リアルでのサービス系テナントは、物販や飲食に比べSCにとって圧倒的に高い存在価値となる。
では、これらサービス系テナントの増加に対してSC運営ではどのように対峙すれば良いのだろうか
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