J.フロント リテイリングがマンション開発!住宅事業は百貨店の新たな経営の柱となるか

堀尾大悟
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近接する商業施設とのシナジーも模索

コワーキングスペース
名古屋市物件のコワーキングスペース

 とはいえ、百貨店を中心とした小売業のJ.フロント リテイリンググループには、商業開発のノウハウはあっても住宅事業は未知の領域。そこで、3拠点それぞれについて不動産デベロッパーを事業パートナーに迎え、共同で開発プロジェクトを進める座組をとっている。しかし、「すべてデベロッパーに任せているわけではない。私たちは小売業の目線でプロジェクトを企画し、提案を行っている」と平井氏は強調する。

 名古屋のマンションには、居住者どうしやゲストと交流できるラウンジや、コワーキングスペースを設ける。これらは同グループの提案を反映したものだ。また、共用スペースの内装は、パルコのデザインチームが監修し、空間づくりのプロフェッショナルの手によって、ホスピタリティのある内装の設計が行われている。「当社には、百貨店やSC事業を通じて長年培ってきたホスピタリティや接客、空間づくりのノウハウがある。それらは住宅事業においても活かせるものと考えている」(平井氏)

 また、本業とのシナジーによって、マンションに付加価値を生みだそうとしている。名古屋エリアには「松坂屋名古屋店」や「名古屋パルコ」、横浜エリアにはショッピングモール「カトレヤプラザ伊勢佐木」と、それぞれのプロジェクトには同グループが運営する商業施設が近接する。それらの商業施設を利用する際の入居者への特典や、デリバリーサービスなども検討しているという。

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