学びを売る!動画スタディ型ミールキット 「シェフレピ」が支持される理由
主なユーザーは
料理好きの20〜30代女性
――SNSでは料理家さんのレビューなども見かけますが、メーンユーザーはどういった方が多いですか。
山本 20〜30代の料理好きな女性のユーザーが多いです。料理家や、プロのシェフもいらっしゃいますが、食を職業にしている方が特別に多いわけではありません。全くの初心者で、「シェフレピをきっかけに料理にチャレンジした」というお声もありました。
――料理好きがディープに学ぶイメージがあったので意外でした。
山本 どのレシピも絶対失敗して欲しくないと、かなり工夫してキットを開発しているので、初心者でも無理なく作れるはずです。「やってみたら意外と美味しくできた」という達成感を得て、ハマっていくリピーターも多いです。
材料もこちらで計量してお送りしますし、動画でも調理のコツや、レシピに出てくる調理器具が自宅にない場合のフォローなどにも気を配っています。チャットでのサポートもしていて、なるべく迅速に返信できるようにしています。鴨肉の焼き具合を画像を送ってもらいながら、アドバイスしたこともあります。
――初心者、経験者問わず、成功体験は料理を好きになるのにすごく重要だと思います。ユーザーに合わせてレシピも改良しているのでしょうか。
山本 マイナーチェンジを重ねています。基本的には料理人の好きなものを提案してもらっていますが、最近は比較的工程がシンプルなものをお願いしています。工程が複雑だと手順を追うことに必死になって、その料理人ならではの技術や美学みたいな部分が伝わりにくくなってしまうのです。そこで脳を50%稼働させたら作れるくらいのレシピにして、動画を観ながら作っても学びを吸収できるように変更しました。
動画撮影時も、編集者がどんどん突っ込んだ質問をして、料理人にたっぷり話してもらうようにしています。逆に話しすぎて、30分で納めるはずの動画が90分くらいになることも。その分、料理人が伝えたいことも逃さない動画になっています。
シェフや食品メーカーの
情報発信の場に
――これからは、どんなコースが登場するのでしょうか。
山本 直近では包丁の研ぎ方のコースがはじまります。現在は専門的な知識に特化したコースがメインですが、今後は時短レシピなども含め、グラデーションのある世界観でレシピと学びを提供していきます。何度もレシピを作りたい方のために、食材だけのキット販売も検討中です。
将来的には、レストランで働いている料理人が手軽に料理教室を開催して、インセンティブが得られ、また食品メーカーも情報発信できる仕組みにしていきたいです。
――現在の食の変化をどう捉えられていますか。
山本 情報過多の時代で“指名制”が進んでいるとも感じます。人生であと何回ご飯が食べられるか考えた時に、実はそんなに回数は多くない。でも、ひとつの料理を作る時、検索するだけで膨大な選択肢があり、「この人のレシピだから作ろうと思える何か」が求められるようになっています。
その中でシェフレピでは、美学をもつ素晴らしい料理人のレシピを選んでもらえるよう、尽力していきたいと考えています。
【媒体紹介】
食のビジネスメディア「FoodClip(フードクリップ)」
クックパッドが2020年に開始したWeb専門の食ビジネスメディア。
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