学びを売る!動画スタディ型ミールキット 「シェフレピ」が支持される理由

2022/07/05 05:55
「Food Clip」編集部
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 レシピサイトや動画メディアの普及により、店頭でのメニューや商品提案のあり方も進化している。そんななか話題になっているのが、efoo(東京都)が提供するスタディ型ミールキット「シェフレピ」だ。開発の経緯や、いま生活者が「料理に求めているもの」について、同社CEOの山本篤氏に聞いた。

2021年4月にefoo (東京都)がリリースしたスタディ型ミールキット。注文すると計量済みの食材が届き、レストランのシェフが解説するレシピ動画で料理が学べる。
2021年4月にefoo がリリースした「シェフレピ」は、レストランのシェフが解説するレシピ動画で料理が学べるスタディ型ミールキットだ

【シェフレピ】
 2021年4月にefoo (東京都)がリリースしたスタディ型ミールキット。注文すると計量済みの食材が届き、レストランのシェフが解説するレシピ動画で料理が学べる。サービス開始当初は1回完結のキットも提供していたが、22年1月にリニューアル。現在は全5回で学ぶレッスンコースのみを展開し、より学びに特化したサービスへと進化させている。

レシピを考案した料理人に
その価値を還元する

――家事の負担を減らす目的のミールキットが多い中で、シェフレピはじっくり料理を学ぶ、いうなれば真逆のサービスですよね。サービスが生まれた経緯を教えてください。

山本 実は事業立ち上げ当初は、小規模飲食店が簡単に原価管理を効率化するサービスを検討していました。ただ、リーン検証を経てサービスを再検討する必要が出てきたんです。シェフレピの構想はその時に生まれたものです。

――BtoB事業からの大きな方向転換ですね。

山本 私自身、フレンチや和食の料理人として飲食店で務めた経験があり、飲食業界の一助になる事業を作りたかったんです。飲食業の多くが労働集約型であることに課題を感じていて、そこにインパクトを与えたいと思っていました。

 また、レシピ提供とそれを使う生活者の「社会的な動線」が美しくないなと思ったのもきっかけです。料理人はクリエーターでありながら、生み出した料理とレシピの価値が本人に還元されていないことがほとんどです。動画サイトなどでレシピを公開しても、利益が出るのは生活者が材料を買った食品スーパーで、生活者から料理人へは、情報の対価が支払われません。動線を整備すれば、料理人とともにお客さまに向き合った良いサービスが共創できると考えました。事前のリサーチでもニーズが見込め、ベータ版も好評だったので、リリースに踏み出しました。

全5回のコースで
1つの技術が身につく

2022年1月にリニューアル。現在は全5回で学ぶレッスンコースのみを展開し、より学びに特化したサービスへと進化しました。
2022年1月にサービスをリニューアル。全5回で学ぶレッスンコースのみの展開とし、より学びに特化した内容へと進化させた

――高難易度のレシピを提供することにしたのは、なぜですか。

山本  料理人に教えてもらうレシピの価値を考えた時に、時短レシピではないと思いました。もちろん、料理人が考える時短レシピもおいしいはずですが、料理人にしかできないことを考えた結果、生活者の課題解決を目的としたものではなく、「シェフの経験や知識を通して。食への理解を深める学び」の提供を軸に据えました。22年1月のリニューアルはその軸をより明確にした形です。

――リニューアルでは、商品は全5回のコースのみ。コース内容もWebサイトも、より学びにフォーカスした仕上がりになっていますね。

山本  点ではなく線で、「食の学び」を体感してほしいという考えからです。従来の単発メニューも単に「おいしかった」と満足して終わってしまう一面もありました。それも間違いではなく、むしろ喜ばしいことなのですが、ユーザー側では次のステップアップに向けたレシピが選びにくいという課題がありました。
 数回をセットにしたコースにはニーズも感じていましたし、より学びのステップがわかりやすく、料理の知識を体系立てて深められます。今回のリニューアルでは、与えられたレシピを作るコツに加えて、ラム肉の扱い方や、パスタの作り方など、全5回を通して1つの技術が身につくように作っています。

料理人の修行並みの
専門的な学びを提供

――学びのテーマやメニューが、一般向けにしてはかなり専門的です。

山本 ほぼ、料理人の修行です。知識が身につくだけでなく、途中から食材の使い方や調理方法から、なんとなく“そのシェフらしさ”もわかってくると思います。料理への解像度が上がったら、外食した時も一皿から読み取れる情報量も変わってきます。
実際に、ベータ版でフレンチのコースをリリースした際は、「4回目を超えたあたりで理解度が上がった」というお声もいただきました。やはり、体感すると食や食べることの面白さが段違いに上がります。

 外食は、提供する側と食べる側のリテラシーの乖離が激しいことが往々にしてあります。食べる側の理解が必要だという食の関係者もいます。副作用的にですが、そうした課題への一手にもなっています。

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