コロナ禍で好調のゴルフダイジェスト・オンライン ブームの先に見据える成長戦略とは
ゴルフクラブの在庫不足をアパレル・アクセサリー類がカバー
GDOのゴルフ用品販売事業に目を向けると、2021年の売上高は182億円で、対前年度比で1.9%増加した。中国や東南アジアに製造拠点を置くゴルフクラブメーカーが軒並みコロナの影響を受け、さらにクラブの素材である鉄やカーボンの原料不足も重なって、ゴルフクラブの在庫が不足する事態に見舞われた。一方で、女性ビギナー層の増加によって相対的に利益率の高いゴルフウエアやキャディバッグなどのアクセサリー類が安定的に成長し、クラブの落ち込みをカバーした。
2000年の創業以来、20年以上の実績を誇るGDOのEC事業。その強みは、業界では群を抜く品ぞろえの多さにある。大手ECプラットフォームにも卸していないハイブランドも信頼を置き、GDOで商品を展開している。「ハイブランドはブランドイメージを大切にするので、そのブランドのよさを伝えられるサイトづくりにこだわっている。ショップinショップの形でブランドストアを設置し、ブランドが伝えたい商品や背景にあるストーリーを伝えられるよう意識している」(坪井氏)
また、プライベートブランド「GDOオリジナル」のウエアも展開。ハイブランドに比べて2分の1~3分の1というリーズナブルな価格で、特に主力のパンツは、シンプルなデザインだが、股下の長さやウエストサイズを細かく設定したサイズバリエーションの豊富さと使い勝手にこだわった機能性で、安定した人気を集めている。利益率の高いプライベートブランドも同社の収益を支える。
一方で、アパレルやアクセサリー類に比べてゴルフクラブは、実際に試してみたり、ショップ店員のアドバイスを受けながら購入したいもの。ECよりリアル店舗に分がある領域だが、そこに対しても、GDOでは独自のサービスを打ち出している。それが、低額でゴルフクラブのレンタルができるサービス「TRYSHOT」だ。月額2,980円からで、期間を選んで新作のクラブが試し放題、気に入ったら購入も可能だ。