デジタル売上比率は19% 急成長する米ターゲットのデジタル戦略とは?

解説・文:福田 稔、長谷川 千紘(ローランド・ベルガー シニアコンサルタント)
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コロナの影響を受け、生活必需品に対する需要やEC経由の販売に対する需要はグローバルで拡大している。そんななかでも顕著に成長しているのがアメリカの大手ディスカウントストア(DS)、ターゲット(Target)だ。同社の総収入は2019年度の781億ドルから、21年度には1060億ドルと、35%も増加している(図表❶)。この増加分のうち約半分を担うのが、デジタルチャネルによる売上だ。ターゲットはどのようにしてデジタルを活用し、どのように成長を成し遂げたのか。

デジタル売上に寄与する「Drive Up」サービス

 ターゲットの提供するデジタルチャネルサービスは、①当日配送サービス、②店舗受け取りサービス、③店舗駐車場などのクルマの中で商品を受け取れる「Drive Up」の大きく3つに分類される。3サービスすべてを合わせたデジタル売上高は19年度から20年度で235%増、21年度にはさらに45%増の成長を遂げている。19年度には対全体売上高比率で9%だったデジタルチャネル売上は、21年度には19%にまで伸長している(図表❷)。

 なかでも、ターゲットのデジタルチャネルの成長のカギとなっているのは18年から本格導入された前述の「DriveUp」だ。実店舗の指定された場所にクルマを止めておけば、ターゲットのスタッフが当日あらかじめ注文しておいた商品をクルマまで運んできて渡してくれる、いわばドライブスルーのようなサービスである。売上高増加率は19年から20年で600%以上、21年にはさらに70%以上成長している。

ターゲットの「Drive Up」のイメージ
ターゲットのデジタル売上の伸長に大きく寄与している「Drive Up」

 「Drive Up」がこれほどまでに伸長している背景には、ターゲットの強みである

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