楽天、Uber Eats Japan提携の衝撃と資本提携の可能性は?
Uber Eats Japan合同会社の武藤友木子代表は「今回の提携は親会社であるUber Technologiesダラ・コスロシャヒCEOと、楽天の三木谷社長が長年議論してきたこと。ダラも『日本人は楽天ポイントが好きだよね』と話していた。日本でもっとも強力なデジタルエコシステムである『楽天経済圏』をもつ楽天との提携で、Uber Eatsのさらなる成長につなげていきたい」と話した。
また、武藤代表は楽天との提携を今後さらに深めることも考えていると言及した。現時点で詳細を明かせるサービスはないとしたものの、ECサイト「楽天市場」の「スーパーSALE」との連携企画や、配車サービス「Uber」における楽天IDと決済の連携、Uber Eatsのサブスクリプションサービスの「Eatsパス」での連携などを考えていると明かした。
楽天グループコマースカンパニー上席執行役員の松村亮氏も「楽天が手掛ける70以上のサービス以外にも、外部サービスで『楽天ペイ』を展開することは『国内EC流通総額10兆円』という目標を達成する上で重要だった」と提携の位置づけを説明する。同社はECサイト「楽天市場」や「楽天トラベル」といった自社のサービス以外にも、リアル店舗でも使える決済手段である「楽天ペイ」や、サイトを経由することで「GAP」や「Joshin」などの他社のショッピングサイトで買物をしても楽天ポイントが貯まる「Rebates(リーベイツ)」など、外部サービスとの連携を深めようとしている。
その際、カギとなるのが買物するたびに貯まる、年間ポイント発行数約5300億円(21年実績)の「楽天ポイント」だ。Uber Eatsを利用する際は、「楽天ペイ」で料金を支払うと「楽天ポイント」が100円につき1ポイント付与される。
つまり、楽天にとって、日本市場最大手であるUber Eatsとの提携は、「楽天経済圏」を拡大するための重要な取り組みなのだ。