ユナイテッドアローズ重松理名誉会長が語る、創業秘話とビームスを立ち上げた理由とは
ビームスを任され、腕を振るう
―しかし、入社してから3年ほどで、セレクトショップの草分けとなったビームスの創業に関わりましたよね。
重松 上司とぶつかってしまって(笑)、最初に入った会社を辞めてしまったんです。逗子の同級生がサザビー(現・サザビーリーグ)創業者である鈴木陸三さんを紹介してくれたのですが、当時のサザビーはインテリアや服飾雑貨が主力事業だったんですね。自分としては衣料をどうしても扱いたくて、ファッション雑誌の編集の仕事をしていた先輩に相談したところ、新光紙器の社長である設楽悦三さんを紹介してもらって、ビームスを創業したんです。
―ビームスをプレゼンした理由は何ですか。
重松 設楽さんは、経営されていた製紙業とは別の業態開発を検討されていたところでした。そこで、「サーフィンブームで、米国のカジュアルファッションが今、注目されています。日本で手に入らないアイテムを輸入販売したら、きっと人気が出ます。そんな業態は、まだ日本にありません」といった感じで、プレゼンをしたんです。レディスではなくメンズ、しかも輸入物をやりたい。そんなお店の構想を持っていたので、その思いを伝えました。すると、開業資金も用意してくれたんです。
10年以上ビームスにいて、セレクトショップでは負けないというビジネスモデルが作れたと思っています。