コロナ禍でも堅調なアルペンが取り組む、業界初の接客DXの可能性
「テクノロジー+接客」の理想形とは
アルペンのDX戦略には、その実効性を高める施策も盛り込まれている。スタッフの投稿を通じて達成されたECでの売上は可視化され、スタッフ個人や所属する店舗の実績として評価に反映されるのだ。頑張ったスタッフが公正に評価されることでモチベーションが高まり、さらなる売上アップにつながる相乗効果も期待される。
アルペンはデジタル化を引き続き強化する方針で、肝となる物流部門にも積極的に投資する。EC物流拠点には自動搬送ロボットを導入し、現在までに国内で最多の216台が稼働している。
接客がベースとなる小売業にとって、デジタル化は顧客との距離が離れる施策であり、対局のようにも思える。だが、たとえばAIを活用し、天候やトレンドなどを予測することで、ロスを最小化できる。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用することで、リアル以上の接客を実現できる可能性もある。
最新のテクノロジーは活用の仕方次第で現状を飛躍的に変えるポテンシャルを秘めている。アルペンは「スポーツをもっと身近に」を掲げる。この方針がぶれない限り、顧客にとってデジタル化でマイナスになる施策は生まれようがないだろう。コロナ禍に積極的にチャレンジを続ける同社が、今後どんな進化を遂げるのか目が離せない。